技能講習とは
労働安全衛生法によって「就業制限業務」に定められた業務を行う場合は、技能講習を受講・修了しなければなりません。
技能講習は学科・実技の授業を受け、それぞれの修了試験に合格することで資格(技能講習修了証明書)を取得して修了となります。修了することでそれらの就業制限業務を行うことが可能になります。講習および試験は全国の都道府県労働局長に認可を受けた登録教育機関で受講することができます。
また技能講習には、作業者として業務に就く者が受講する講習のほか、それらの業務を指揮する者が受講しなければならない「作業主任者」のための講習もあります。就業制限業務の主任者となる者は、これらの講習も修了している必要があります。
技能講習一覧
それでは実際にどのような技能講習を受けることが出来るのかを紹介していきます。技能講習は様々な団体が行っていますが、多少の違いはあれども同一の講習が多いので、例として一覧で紹介します。
【玉掛け技能講習】
制限荷重1t以上の揚貨装置及びつり上げ荷重1t以上のクレーン、移動式クレーンもしくはデリックの玉掛け業務に従事する方は、労働安全衛生法に基く技能講習を修了しなければなりません。対象年齢は18歳以上で、免除ありとなしの2コース用意されています。
免除ありのコースでは、移動式クレーン運転士免許・クレーン・デリック運転士免許(旧クレーン運転士免許、旧デリック運転士免許含む)・揚荷装置運転士免許・床上操作式クレーン運転技能講習修了者・小型移動式クレーン運転技能講習修了者の資格を有している者が対象となります。
【高所作業車運転技能講習】
労働安全衛生法により、高所作業者運転技能講習修了の資格がなければ、作業床の高さが10メートル以上の高所作業車の運転(道路上を走行させる運転を除く)の業務に従事することができません。対象年齢は18歳以上で、2コースがあります。Aコースは、普通/準中型/中型/大型自動車または大型特殊自動車の運転免許・フォークリフト運転技能講習修了・ショベルローダー等運転技能講習修了・車両系建設機械(整地等)運転技能講習修了・車両系建設機械(基礎)運転技能講習修了・車両系建設機械(解体)運転技能講習修了・不整地運搬車運転技能講習修了の資格を持っている人が対象になります。Bコースは、移動式クレーン運転士免許・小型移動式クレーン運転技能講習修了を有している人が対象となります。
【フォークリフト運転技能講習】
最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転作業に従事される方は、労働安全衛生法に基づく運転技能講習を修了しなければならないことが義務づけられています。
当協会の実技講習はカウンターフォークだけでなくリーチフォークも学べます。
対象年齢は18歳以上で、2コースがあります。Aコースは、普通/準中型/中型/大型自動車または大型特殊自動車(カタピラ付限定)の運転免許有している人が対象になります。Bコースは、大型特殊自動車免許(カタピラを有する自動車のみを運転することを免許の条件とするものを除く。)または、下記のすべてに該当するひとが対象となります。
・普通、準中型、中型、大型自動車または大型特殊自動車(カタピラ付限定)の運転免許
・1トン未満のフォークリフト特別教育修了
・3か月以上フォークリフト業務に従事している
【小型移動式クレーン運転技能講習】
小型移動式クレーンとは吊り上げ荷重1トン以上5トン未満の移動式クレーンの事を指します。平成2年10月1日労働安全衛生法一部改正により小型移動式クレーン運転の業務は、移動式クレーン運転士免許を取得している者か、小型移動式クレーン運転技能講習修了者でなければ従事できなくなりました。対象年齢は18歳以上で、2コースがあります。Bコースは、クレーン/デリック運転士免許・床上操作式クレーン運転技能講習修了・玉掛け技能講習修了のいずれかの資格を有する人が対象となります。
【ガス溶接技能講習】
可燃性ガス(アセチレン)と支燃性ガス(酸素)により溶接・溶断作業を行うには正しい溶接装置等の取扱い・点検・管理・作業について労働安全衛生法によるガス溶接技能講習を修了しなければなりません。対象年齢は18歳以上です。
【足場作業主任者技能講習】
つり足場(ゴンドラのつり足場を除く。以下同じ)、張出し足場又は高さが5メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業を行うには、事業主は、足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者を作業主任者として選任し、その者の指揮のもとに作業を行わなければなりません。2コースに分かれており、Aコースは、満21歳以上で、足場作業に3年以上従事した経験を有する者・満20歳以上で、大学、高専、高校、中等教育学校において土木、建築又は造船に関する学科を専攻した者で、その後2年以上足場作業に従事した経験を有する者のどちらかの資格をお持ちの人が対象になります。Bコースは、職業訓練修了後に足場作業に2年以上従事した経験のある者・職業能力開発促進法施行令別表第1に掲げる検定職種のうち、とびに係わる1級又は2級の技能検定に合格した者のどちらかとAコース対象者であることが条件です。
【床上操作式クレーン運転技能講習】
り上げ荷重5t以上で床上で運転し運転者が荷物とともに移動するクレーンの運転業務に従事する方は、労働安全衛生法に基く技能講習を修了しなければならないこと義務づけられています。なお床上式クレーン運転技能講習を修了した者であっても、玉掛け業務は玉掛け技能講習修了者でなければ作業できません。対象年齢は18歳以上で、2コースがあります。Bコースは、移動式クレーン運転士免許・クレーン/デリック運転士免許(旧デリック運転士免許含む)・揚荷装置運転士免許・小型移動式クレーン運転技能講習修了者・玉掛け技能講習修了者のいずれか資格を有する人が対象になります。
安全衛生教育
技能講習と同じく一人親方には必要なのが安全衛生教育です。必ず必要になりますので、講習を受けましょう。
【職長・安全衛生責任者教育】
事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督するもの(作業主任者を除く)に対し、次の事項について労働省令で定めるところにより、安全又は衛生のための教育を行わなければならないとされています。
・作業方法の決定及び労働者の配置に関すること
・労働者に対する指導又は監督の方法に関すること
【労働安全衛生法 第60条による定められた業種】
・建設業
・製造業 ただし、次に掲げるものを除く。
・食料品・たばこ製造業(化学調味料製造及び動植物油脂製造業を除く。)
・繊維工業(紡績業及び染色整理業を除く。)
・衣服その他の繊維製品製造業
・紙加工品製造業(セロハン製造業を除く。)
・新聞業、出版業、製本業及び印刷物加工業
・電気業
・ガス業
・自動車整備業
・機械修理業
対象者は、満18歳以上であることと職長又は安全衛生責任者の職務についている方や今後、職長又は安全衛生責任者の職務に就く予定のある方になります。
まとめ
以上、技能講習について紹介しました。ここで紹介したのは最も一般的な技能講習になります。他も知りたい方は、ぜひ調べてみて下さい。ホームページに開催日や金額などものっていますので参考にしてください。