板金工の仕事内容
板金工は、主に薄い金属板の加工を行う仕事です。活躍の場はさまざまで、就職先の業種によっては、自動車の傷や凹みの修理をすることもあれば、屋根や外壁、雨どいの修理、ダクト、水回り、リフォームなどを行うこともあります。
同じ板金工という職業でも、自動車の修理などをメインに行う『板金工』と、住宅関連の作業を行う『建築板金工』とに分けられます。
板金工は、リペアやパーツの取り換え作業などが主な仕事になるため、同じ作業を繰り返すことが多く、コツコツと作業するのが好きな人に適した職業です。
また、細かい作業が多いため、集中力も必要です。建築板金工の場合、高所作業を行うこともあるので「高所を苦に感じない」という人にも向いています。
板金工のやりがい
建築業や修理業など、さまざまな場面で活躍する板金工には、どのようなやりがいがあるのでしょうか。ここからは、板金工のやりがいについて紹介します。
あらゆる業界で活躍できる
板金工は、技術を身に付ければ幅広い業界で活躍が可能です。板金自体がさまざまなものに使用されているため、細やかな作業や専門的な技術、知識はあらゆる業界で求められます。
『板金工』ではあるものの、金属以外の素材 を扱うこともあるため、素材や作業対象に応じた知識や技術を求められる面白さもあります。
また、板金の技術が使われる物自体がなくならない限り求められ続けるため、板金工は将来性のある仕事といえます。活躍する業界に違いがあっても需要は安定しています。
熟練度次第で給与が上がる
板金工の需要は、企業規模や勤続年数、経験値や技術の熟練度によって変化します。より高い技術を身に付けていくことで、安定した依頼が見込める仕事です。
板金工の平均年収は、300~400万円といわれています。ある程度の技術力があれば、安定した給与を得やすいのも特徴で、企業に勤続しながら技術を身に付けて人脈を築き、独立することも可能です。
板金工に求められる技術は、建築技術の発達や新たな素材の開発などによって日々進化しているため、つねに新たな技術を身に付ける学びの姿勢も必要になります。
感謝される場面が多い
感謝される場面が多いことも、板金工のやりがいのひとつです。
たとえば、依頼主が大切にしてきた自動車にできた傷のリペア、雨漏りや自然災害によるダメージで困っていた住宅の破損個所など、修理作業で感謝してもらえる機会は多くあります。
依頼主の喜ぶ声や姿を間近に感じられることは、自身の技術に対する自信や仕事のモチベーションにもつながるでしょう。
板金工になるためには
板金工の仕事に就くためには、どのような方法で就職先を探し、技術や知識を身に付ければ良いのでしょうか。ここからは、板金工になるための方法とキャリアアップを図るうえで役立つ資格について紹介します。
専門学校や訓練校
板金工になるための方法のひとつは、専門学校や訓練校へ通学して学ぶことです。板金に必要となる基本的な技術や知識を学ぶことができるため、卒業後にスムーズに就職することができます。
一般的に板金工の専門学校や訓練校では、板金、塗装、塗装仕上げ、磨き作業などの実技と、知識を身に付けるための座学などの授業を受けることが可能です。
学校や選ぶコースにもよって異なりますが、2~3年間かけて学ぶことが多く、時間をかけてスキルを身に付けてから働きはじめたい方に適しています。
職業訓練校などであれば学費無料で学べる場合もありますが、半年~1年間程度 の短いカリキュラムになる点が特徴です。
自動車修理工場や板金店で働く
自動車修理工場や板金を扱っている工務店などで働きながら、板金工に必要な知識と技術を身に付ける方法もあります。
工業高校などですでに板金について学んでいるのであれば、専門学校や職業訓練校に行かずに働けることもあるので、求人を探してみると良いでしょう。
板金工の仕事は、現場での経験が重要です。そのため、基礎的な技術をすでに身に付けているのであれば、早めに現場に出た方がより実践的なスキルを身に付けられるメリットがあります。
板金工の仕事は技術力が重要視されることが多く、基本的に就職にあたって必要な資格はありません。
ただし、一定以上の能力を有することを示す証明になるため『建築板金技能士』や『工場板金技能士』の資格を取得しておくと良いでしょう。
資格を取得していれば転職時に優遇されるほか、給与面でも有資格者には手当がつく場合があります。
企業によっては資格取得を積極的に支援しているところもあるので、将来的に資格取得を目指したい方は、資格取得支援を行っている求人を探して就職するのもおすすめです。
建築板金の平均年収は
建築板金の平均年収は、411万円でした(賃金構造基本統計調査より)。 全国平均の年収が436万円であることを考えると、 全国平均よりもやや低い水準となっています。 ここで、年代別の平均年収をみてみましょう。
25~29歳の平均年収は350万円で、30~34歳になると377万円と平均年収が27万円プラスとなります。 さらに、40~45歳になると411万円で、50~54歳になると434万円となります。
次に、建築板金の役職別平均年収をみてみましょう。 係長の平均年収は510万円、 課長の平均年収は667万円、 部長の平均年収は804万円となっており、 全国平均よりもやや低い水準となっています。
板金工事業における一人親方が取得する資格
建築板金技能士
施工管理技士の資格
ガラス施工技能士
ガラス施工技能士は国家資格である技能検定の一種です。全国の都道府県が実施しておりガラス施工に関する学科と実技試験で合否を行います。
ちなみにですが、ガラス施工技能士は職業訓練指導員(サッシ・ガラス施行科)の実技試験免除資格になっています。1級と2級資格があり、それぞれ定められた内容の実技試験が行われます。制限時間は作業試験が3時間10分、1級の学科試験はが1時間45分です。
1級の試験内容
作業試験:与えられた試験台、図面等に基づいて、アルミサッシの組立て・取付け作業、板ガラスの切断・加工作業、板ガラスの方立工法・弾性シーリング工法・グレイジングガスケット工法による板ガラスの取付け作業、建築窓ガラス用フィルムの貼付け作業を行う。
学科試験:立面図、建具詳細図等に基づき、適正なガラスの寸法、ガラス工事に必要な工事費の算出及び住宅用アルミニウムサッシの取付けに必要な寸法の算定について行う。
2級の試験内容
与えられた試験台、図面等に基づいて、アルミサッシの組立て・取付け作業、板ガラスの切断・加工作業、板ガラスの方立工法・弾性シーリング工法・グレイジングガスケット工法による板ガラスの取付け作業、建築窓ガラス用フィルムの貼付け作業を行う。
という内容になっています。
この資格がなくてもガラス工事業の仕事を行うことは可能です。あくまでも技能を証明するための資格。ただこの資格がなければ一人親方としてやっては行けないでしょう。
キャリアアップシステムによって、資格や経験が見られるようになりますので、仕事がもらえなくなる未来がくると予想されます。
施工管理技士
施工管理技士の資格は建設業の許可をとったり、大きい仕事(工事費用が1000万円以上)を請けるためには必要な資格です。
一人親方としては必ず必要なものではありませんが、独占資格ですので潰しが効きますし、会社に所属するにも有利。さらに会社を大きくして企業として運営していくにも必要な資格。年収にも大きく関わってくる資格と言えるでしょう。ガラス工事業の場合は建築工事施工管理技士を取得することになります。
1級と2級があり、試験内容も違いますが注意すべきは受験資格で、特に1級はかなりの実務経験が必要になります。
まとめ
以上、板金工について紹介しました。板金工は建設に留まらず活躍の場が存在します。様々なルートでなることが出来るので、板金工を目指している人は、なるべく多くの経験を積んでおきましょう。