建設業界の現状とは?
建設業界は生活に密着した建物や施設、道路など様々な形で多くの人の暮らしを支えている仕事です。近年、厳しい環境などというイメージが少なくなり、就職先としても人気の高い業界です。
建設業界はチームで協力して仕事をするため強い達成感を得られます。また、生活を豊かにする建物などを作れるなど、やりがいを得られる業界となります。給与面での待遇も大きく改善されています。
建設業界の平均年収3つ
建設業界と一言で言っても業種は様々で、建築一式を請け負う会社から左官や土木など一部分の業務を担う業種まで幅広い業界となります。そのため建設業界の年収と言っても業種によって様々で、低いものは300万円から高いものは1,000万円前後まで幅も広いのが実情です。
ここでは建設業界の平均的な年収を年代別で40代、30代、20代と3つに分けて紹介します。企業規模によってもかなりの差があります。
40代
建設業界の中でも業種によって平均年収が変わりますが、ここでは施工管理を担当する人の平均年収を年代別に紹介します。建設業に従事する人の全体の平均が約509万円に対して、施工管理の職種では約630万円と高めの年収です。
40代の施工管理職では平均650万円程度で、施工管理の全体平均の630万円を上回ります。資格を活用して現場に責任を持つ年代で、50代、60代と更にアップしていく飛躍の年代となるでしょう。
30代
建設業界の中でも施工管理職の30代の平均年収は約584万円程度です。20代から30代にかけて仕事を覚えて活躍しながら昇進する人が多いことが影響していることもありますが、やりがいを感じながら仕事に集中できる年代ということもあるでしょう。
大手ゼネコンでは入社10年目位から他業種に比べて年収も飛躍的にアップしてくるため、30代でも他業種の人と比べて高めの年収を得ることができます。
20代
建設業界の中で施工管理職の20代の平均年収は約473万円程度です。高卒なのか大卒なのかなど学歴別でも平均年収に差がでます。
以前は残業時間が長く会社によっては基本給よりも残業代が多い場合もありましたが、最近では働き方改革も浸透して建設業界でも残業時間を減らして効率良い働き方を進めている会社が多くなっています。
建設業界の平均年収11選
一口に建設業界と言っても数多くの職種があり、それぞれ資格や仕事内容が変わるので、当然年収も職種によって様々です。同じ職種でも請け負う仕事の内容や規模によって会社の規模が変わり、平均年収も上から下まで大きな幅があるのが実情です。
ここではそれぞれの職種によって概ね平均的な建設業界の年収を11業種に分けて紹介します。あくまでも目安なので会社の規模などで違いがあります。
土木作業員の場合
建設業界の平均年収1番目は土木作業員の場合で、一般的な平均年収は約380万円です。道路や造成現場、ダムの基礎工事など様々な建設現場で必要となる職種で、資格や経験がなくても誰でも始められる仕事でもあります。
大型機械を使った工事の補助として人力で作業する職種と、重機などを使用して作業を行なう職種に分類できます。
事務職の場合
建設業界の平均年収2番目は事務職の場合で、一般的な平均年収は約420万円です。建設業界の事務職は他の業界と同様に一般職に相当し、書類作成やデータ入力など基本的な事務仕事を行ないます。
採掘職の場合
建設業界の平均年収3番目は採掘職の場合で、一般的な平均年収は約670万円です。鉱石や石炭、天然ガスなどの地下資源を採掘する鉱業関連の職種ですが、以前に比べると人口は減っており厳しい職場ですが年収は高めになっています。
採掘する坑道内の点検や崩落防止の強化作業なども行う専門職で、国内での需要は減っています。
建設職の場合
建設業界の平均年収4番目は建設職の場合で、一般的な平均年収は約345万円です。建設職とは建造物の仕上げに当たる外壁の設置や塗装、防水加工および天井や床の仕上げ作業などを行なう職種です。
内装と外装で専門性が分かれますが、技術を身に付けた職人が育つ職種でもあります。特別な資格などが必要ないので他の職種に比べて平均年収は低めになります。
電気工事職の場合
建設業界の平均年収5番目は電気工事職の場合で、一般的な平均年収は約430万円です。電気工事に特化した職種で、電気設計図を元に建物内の配線や照明器具の設置などを行なう専門的な職種です。
危険が伴う職種であり電気工事士の資格がない人は作業ができないため、専門知識を身に付けて資格を取得した人だけができる仕事です。
建設・採掘職の場合
建設業界の平均年収6番目は建設・採掘職の場合で、日本標準職業分類の中で建設・採掘職従事者に相当する職種で一般的な平均年収は約450万円です。細かい職種では、建設躯体工事職、建設職、電気工事職、土木作業員、採掘職の5つに分けられます。
職種によってかなり年収の幅があるため、具体的な職種で比較することをおすすめします。
測量士の場合
建設業界の平均年収7番目は測量士の場合で、平均年収は約415万円です。工事する前に土地の面積や位置関係を測量して図面を作成するのが測量士の仕事ですが、測量士と測量士補の2つの資格に分類されます。
測量士補は測量計画に従って実際の測量業務を行なうことが多く、測量士は計画を作成したり測量した成果を整理してまとめる仕事を行ないます。
建築士の場合
建設業界の平均年収8番目は建築士の場合で、一般的な平均年収は一級建築士で約640万円、二級建築士で約480万円です。建築士は主に建物や施設の設計する職種で一級と二級の2つの資格があり、それぞれ扱える建築物の規模が変わります。
現場監督の場合
建設業界の平均年収として9番目は現場監督の場合で、一般的な平均年収は約435~580万円です。現場監督は、施工監理技術者として建設現場における責任者として様々な業務を任される仕事で、各工種の担当の作業員を取りまとめて仕事がスムーズに進むよう調整します。
設計図通りに施工が進んでいるか、建築工程の管理や安全管理を任せます。
建設躯体工事職の場合
建設業界の平均年収として10番目は建設躯体工事職の場合で、一般的な平均年収は約435万円です。建築物を作る時の骨組みとなる鉄骨や鉄筋を組み立てたり、コンクリートを流し込んで固めるための型枠を組み立てたりする仕事です。
建物が完成すると見えない部分の仕事が多いですが、建築物の土台ともいえる重要な部分の仕事で設計図に従って丁寧な作業が要求されます。
営業職の場合
建設業界の平均年収として11番目は営業職場合で、一般的な平均年収は約700万円です。工事の受注や契約を取るために発注情報を集めたり、発注者との折衝を行なうなど実力次第で結果が決まるため、平均年収も高めの会社が多くあります。
企業の規模によっても年収に大きな差があり、大手ゼネコンでは年収1,000万円を越える企業もあります。実力次第でより大きな会社に転職してレベルアップする人も多い職種です。
建設業界の年収の基準4つ
建設業界の年収は職種によっても大きな差がありますが、経験年数や資格の有無によっても左右される業界となります。ここでは建設業界の年収の基準として4つの指標を取り上げて紹介します。
経験年数や資格によって仕事の内容に大きな差が出る業界であること、雇用形態や残業の程度によっても収入は大きく違うことを踏まえて内容を整理します。
経験年数
建設業界の年収の基準として1つ目は、経験年数によって大きく年収が変わることです。専門性の高い業界なので経験年数はそのまま戦力アップになり、給与に反映されるケースがほとんどです。
工期が定められた仕事なので工程管理や品質管理が重視される業界であり、経験豊富な人に任せれば高品質な成果を得られます。大手ゼネコンでは20代と40代では年収が倍になるほど、経験の違いを反映させています。
資格の有無
建設業界の年収の基準として2つ目は、資格の有無によって大きく年収が変わることです。日々進歩する高い技術を習得する必要があり専門性も求められるため、公的機関で認定を受けた資格の有無はそのまま給与に反映される会社が多いのが実情です。
例えば同じ建築士でも一級と二級では扱える建築物の範囲が変わるため、資格が仕事の内容に直結するので当然年収の差に表れます。
雇用形態
建設業界の年収の基準として3つ目は、雇用形態によって大きく年収が変わることです。正規雇用か非正規雇用かによって給与体系が変わる会社が多いので、正規雇用の平均年収が約392万円に対して、非正規雇用の平均年収が約307万円という調査結果も出ています。
同一労働、同一賃金を提唱されており、今後は両者の年収の差は無くなるかも知れませんが、現状では正規雇用を目指すことが年収アップへの近道となるでしょう。
残業代
建設業界の年収の基準として4つ目は、残業代の割合によって大きく年収が変わることです。現場にもよりますが、建設業界は施工の時期や工事内容によって残業時間がかなり変わります。
職種によっても大きく違い、土木作業員なら残業は少なめですが、現場監督などは日中の仕事が終わってから事務作業を行なうため必然的に残業時間が増えます。
建設業界の年収への理解を深めよう
建設業界の平均年収について、年代別の平均年収や業種別の平均年収を紹介しました。実際は会社によっても経験年数や資格の有無などで、大きく差が出る業界であることも理解できたのではないでしょうか。 建設業界の年収の実情を理解して、目安を把握しましょう。