地道に営業する
まず、建設業の一人親方だから特別な何か手法があるわけではありません。営業活動として打ち合わせ、商談をコツコツと積み重ねていくことが大切です。では、その打ち合わせや商談のアポをどのように獲得すべきか考えてみましょう。
異業種交流会に行く
まず一つ目は異業種交流会に参加することです。商工会議所主催の異業種交流会中心に、建設関係者が出入りする交流会を探していきましょう。
そして、仕事を発注する立場にある建設会社の社長や部課長に出会ったら、しっかりと名刺を渡してアピールをするのです。
自分がどのような経歴で、何の工事を得意としているのかなど端的に話せるようにしておきましょう。また、もし遊びに誘われた際は積極的に参加しましょう。
接待ゴルフなど典型的ですが、中小企業の社長などまだまだ人情やコネで動く節は否めません。全く同じスキルと単価の人であれば、プライベートも含めて交流がある人に依頼する傾向があるのは確かです。
将来、自分が経営者になって部下を雇うようなレベルになっても似たような交流はなくならないでしょう。
なので、練習だと思ってコツコツと取り組んでみてください。
このように積極的なアピールと交流を続けていくことで、結果的に仕事の相談や打ち合わせが増えていくので真剣に取り組みましょう。
建設会社のHPの「職人募集」から問い合わせる
ネットで建設会社を検索して、HPの「職人募集」のページから直近で工事がないか問い合わせてみましょう。
このように募集をかけているという事は案件数が多く、現場の作業員を募集している可能性は高いからです。自分の住んでいる地域はもちろん、在住している都道府県の会社には全て連絡するぐらいの気持ちでやってみましょう。
補足すると、返信が速い企業から優先的に日程調整をして面談しましょう。返信が速いということは、日ごろから仕事の連絡や問い合わせが多いために対応が磨かれている可能性が高いからです。
儲かっている会社の方が仕事も豊富で長期的に付き合えるので、自分でも相手の会社を見極めるつもりで観察すると良いでしょう。
飛び込み営業をする
駆け出しで工事もほぼ入っていない時は飛び込み営業も大切です。建設会社の中でもしっかり売上がある企業は慢性的に人手不足となっています。
そのため、実際に作業をしてくれる一人親方の話を聞いてくれる可能性は、他のサービスの飛び込みよりはあるでしょう。
もちろん、飛び込み営業自体が難しい手法ではあるので中々打ち合わせに至るケースは少ないかもしれません。
ですが、立ち上げ当初で仕事がほぼ無い状態が続いてしまうと廃業の危険性もあります。
中々選り好みできる状況でもありませんし、失うものもありませんのでまずはトライしてみましょう。
マッチングサービスを活用する
一人親方が仕事をもらう上で、マッチングサービスが欠かせないものとなってきました。マッチングサービスとは、作業員を探している建設会社と、仕事を探している作業員や下請け企業を相互紹介するサービスです。
様々なサービスがあり中には一人親方には使いにくいものもあるのですが、次のサービスは評判も良いのでオススメです。
CraftBank
CraftBankは元請けとなる発注会社と工事会社をマッチングするサービスです。
全国22,000社が既に参画をしており、一人親方の個人事業主も登録中。
小まめに情報をチェックすることで着実にネットワークを広げることが可能です。
案件を受けたいときだけではなく自分が協力会社を探したい時も活用できる点が魅力のサービスなので、気になる人は有料プランの登録も視野に調べてみると良いでしょう。
請負市場
請負市場も元請けとなる発注会社と工事会社とをマッチングするサービスです。
単価の高めの案件も公開されており、ステップアップのための利用も可能。
ランキング・評価制度があるのでコツコツと取り組んでいけばより良い案件が指名で舞い込む可能性もあります。
工事の種類も多いので、登録して損はないサイトだといえるでしょう。
助太刀
助太刀は建設業界の様々な課題解決をするアプリサービスです。
分かりやすいレイアウトのアプリで、FacebookのDMのように直接発注会社の担当者とやり取りが可能。
また、助太刀を使って工事用具の購入や修理ができるなど集客以外の機能も非常に充実しています。
月額1980円で集客の機能がフルに活用できるので、ぜひ登録しておくことをオススメします。
賢く地道に営業活動をして行こう!
一人親方の仕事のもらい方としては、地道な営業活動が何よりも大切です。「親方」とは経営者であり、自分で仕事を獲得していくことが仕事です。
社員として待っているだけの姿勢からは転換をしなければなりません。実際の営業活動としては異業種交流会の参加や問い合わせなど泥臭い人脈作りはもちろん、ネットの力も活用して効率よく取り組むのも良いでしょう。
一人親方の今後
建設業を管轄する立場にある国土交通省では、一人親方のあり方を議論する検討会が定期的に開催されています。一人親方に対する処遇の改善や、偽装請負の撲滅へ向けた対策について、政府も力を入れて取り組んでいる様子がうかがえるでしょう。
経費削減を目的とした偽装請負は、一見すると請負先と請負元の両方にメリットがあるように考えられます。しかし、法律を軽視した行為が発覚すれば、法の裁きを受けるだけでなく、社会的な信頼を失うこともあるのです。
すべての一人親方が高い意識を持ち、自立した事業主として活動していくことが、偽装請負問題の解決に求められています。
一人親方の平均年収を考えるうえでの注意点
一人親方の平均年収に関して、会社員としての年収と、単純に数字だけ比べるのは適切とはいえません。この章では、一人親方の平均年収を考えるうえでの注意点を、2点解説します。
年収は単価と仕事量に比例
一人親方の年収は、基本的に単価と仕事量に比例します。従って、一人親方は単価の高い案件を得られるように、意識する姿勢が必要です。
たくさんの時間を仕事に費やし、収入を増やすことも大切ですが、休養が不足すると体調を崩してしまうリスクが高まります。また、余白なしに仕事を詰め込んでしまうと、工期が遅れてしまった際に取り返しが難しくなってしまうため、リスク管理の面でも収入と仕事量とのバランスはとても重要です。
保険や年金の負担分を考慮
一人親方は保険や年金にご自身で加入し、管理しなくてはなりません。例えば、一人親方が加入すべき代表的な保険の一つが、「一人親方労災保険」です。
一人親方労災保険に加入していると、業務中や通勤中のケガ・病気・死亡に対して、治療費の自己負担0・就業不能時の補償・遺族年金などを受けられます。一人親方労災保険に加入しているか否かで、安心感は大いに異なります。
まとめ
以上、一人親方が稼ぐために仕事を貰う方法を紹介しました。せっかく独立したからには、お金を稼ぎたいと思っている方が多いでしょう。一人親方の平均年収は非常に幅があるものの、500万円~1,000万円程です。もちろん、収入が500万円以下や、反対に1,000万円を超える一人親方もいます。同じ仕事をした場合に得られる単価は会社員よりも多いため、重要なことは質の高い仕事をすることと、多くの仕事が得られるように人脈を大切にすることです。