今回は海外に誇れる日本の職人について我々はどれくら知っているでしょうか。現状、工業の発展により、多くの職人が廃業に追い込まれています。何百年にもわたって継承されてきた技術を後世に伝え続けるためにも、少しで多くの人に知ってもらい、後継者となる人を探すとともに、職人の生活環境や経済面、社会的地位の向上を目指す事が日本の未来を守るためにも必要不可欠です。今回は宮大工について解説していきたいと思います。
宮大工とは
神社や仏閣のような伝統建築を専門に手がける職人です。新築はもちろんですが、場合によっては何百年も前に建てられた重要な文化財の解体・修繕を請け負うこともあります。建築物によっては当時の図面が存在していない場合も多いため、実物を見ながら内部の構造・工法を判別できるだけの深い知識と、それらを寸分狂わず再現できるだけの確かな腕が必須となります。
また、昔に描かれた図面の文言や数値にも精通していないと正しい処理が施せません。一つ一つ丁寧に解析しながら解体や修繕を行う場合もあるため、慎重かつ的確な判断が必要不可欠な職業でもあります。
工法:木組み
宮大工の仕事では、「木組み工法」という釘や金物をほとんど使わず、木自体に切り込みなどを入れてはめ合わせ、強固に組み上げていく高等技術を用いられて建てられています。
海外からも注目されている技術で、宮大工の持つ正確で熟達した技術が無いと接合部が綺麗に作れなかったり、形だけはまねられても、その精度が大きく違ったりします。はめ込まれた木材の表面からはその構造の複雑さは見えず、つなぎ目も分らないほど精巧に組まれており、その巧みな技は、パズルを組み合わせるような複雑な知識と、木材を正確に削る技術によって支えられています。
また、木材の加工はすべて手作業で行うため、木の生育状態や性質を読んで、どの用途に適するかを見極める眼も重要です。
修行期間
一般的な大工が一人前と呼ばれるようになるまでは少なくとも3年ほどかかると言われています。一方で宮大工の場合、図面の読み方から作業の段取り、資格や技術の習得などが非常に多く、一人前と呼ばれるようになるまでにおおよそ10年の修行を経る必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は日本の伝統的な職人の一つ「宮大工」について解説させていただきました。年々職人が高齢化し、技術の継承が危ぶまれている現代で、少しでも興味をもってもらい、後世に残せるきっかけとなれば幸いです。