今回は海外に誇れる日本の職人について我々はどれくら知っているでしょうか。現状、工業の発展により、多くの職人が廃業に追い込まれています。何百年にもわたって継承されてきた技術を後世に伝え続けるためにも、少しで多くの人に知ってもらい、後継者となる人を探すとともに、職人の生活環境や経済面、社会的地位の向上を目指す事が日本の未来を守るためにも必要不可欠です。今回は指物師について解説していきたいと思います。

指物師の仕事

そもそも指物って何?という方のために簡単に説明しますと、釘や接着剤などを使わず、木と木を組み合わせることによって作られる木工のことを言いです。小箱や花器などの小さな道具から、箪笥(たんす)や棚のような大きな家具まで幅広い製品が作られています。

指物師と呼ばれる職人は、この指物を作る事を生業にしており、小物を専門に手掛ける人や、大きな家具を作る事に特化している方もいて、用いられる技術は様々です。

歴史

指物が歴史のなかで登場したのはおおよそ平安時代の頃だと言われています。手先の器用な大工や家具職人といった人達が周囲の要望を受けて作り始めたのがきっかけで、専門的に指物に特化した職人が生まれてくるのは室町時代以降です。

武家の暮らしの中で棚や箪笥、机などの調度品が増え、また茶道の発展に伴って箱物への需要が増えたことから発展を遂げたと言われており、その時代の流行によってデザインが違ったり、実用的な仕組みや機構が設けられたりと、地域によって好まれる柄や素材が違ったりと、様々な指物が誕生しました。

技術と修業期間

板と棒を組み合わせて作る指物は、まるで精巧なパズルのようです。完成品には巧妙に考えられた技術と仕掛けがあり、外からは組み手が全く見えません。また、木目の美しさを引き出しつつも長年にわたる使用に耐え得るよう、使い込まれた後の木の反りや色合いの変化なども計算しながら作り上げられた指物はもはや芸術品の域にあると言えます。多種多彩な指物作りの技術を身につけるためには、最低でも10年以上の修行が必要と言われています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は日本の伝統的な職人の一つ「指物師」について解説させていただきました。年々職人が高齢化し、技術の継承が危ぶまれている現代で、少しでも興味をもってもらい、後世に残せるきっかけとなれば幸いです。