防水工と聞いて一般の人がイメージできるのは恐らくキッチンや窓枠、お風呂場のコーキングを施している職人かと思います。勿論そういった部分も手掛けていますが、それ以外にも様々な場所で活躍しており、我々に無くてはならない「水」そして「建築物(建物や構造物」の細部を守っている防水工の仕事内容や年収、目指し方などについて解説していきたいと思いますので、興味をもった方は是非最後までお付き合いください。
仕事内容
防水工の仕事内容は主に建築物の仕上げ、それも屋根や外壁といった屋外箇所の防水加工を生業としています。実は防水工事を必要とする部分は非常に多く、屋根や窓などの開口部から雨水が建物へ侵入するのを防いだり、生活・工業に必要な水を貯水している設備の気密性を保ったりと、水が関わるものには基本的に防水工事も必要となる事が殆どです。
防水工には、施す防水層の種別や工法、その種別によってそれぞれ専門的な知識と技量が必要となります。防水層の種別にはアスファルト系防水層、合成ゴム系防水層、塩化ビニル樹脂系防水層、酢酸ビニル樹脂系防水層、ウレタンゴム系防水層、アクリルゴム系防水層、FRP系防水層、セメント系防水に分けられ、工法も複数の種類があるので、複数の防水層あるいは防水工法を施工できる技量がある職人が求められています。
防水の種類
防水工事の中でも代表的なのが下記の3つの工法です。
アスファルト防水:建物だけでなく、道路などの公共物の防水にもよく使われる工法で、アスファルト製のシートを張り合わせて防水します。
シート防水:塩化ビニル製のシートや、ゴム製の防水シートを建物の防水が必要な箇所に固定して使用します。
塗膜防水:防水用の特殊な塗料を使用する方法で、ウレタン防水やFRP防水といった種類があります。安価で施工できるうえに、他の工法に比べると必要な技術力が比較的低く、施工場所にあまり制限がないため、多くの現場で使用されています。
必須道具
防水工の作業で必要となってくる工具は主に以下の通りです。
かなづち:防水シートを施工箇所に固定するためのビスを打つために使用します。
のこぎり:防水用のシートを施工箇所の面積や障害物に応じて加工するのに使用します。
電動ドリル:防水シートを施工箇所に固定するためのネジを締めるために使用します。
ヘルメット:高所での作業が多いため、落下物や、自分が落下した際に頭を守るための必需品で、法律でも着用が義務付けられています。
ゴーグル:目に入ると失明する恐れのある薬品や、ビス・ネジといった突起物から目を保護するために使用します。
安全靴:防水加工を施す前の下地には釘であったり木片、コンクリートの凹凸など様々な突起が出ている場合があり、足を守るためにも必須なアイテムです。
安全帯:高所で作業する場合には着用が義務付けられているもので、屋根や足場から落下してしまった際に下階や地面に叩きつけられる事から身を守ってくれる命綱です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は防水工の仕事における、その仕事内容と種類、そして作業の際に必要となる道具を説明させて頂きました。次章では防水工の仕事に就くために必要な資格や労働環境、年収といった点を解説していきます。