一人親方として開業した人が困るのが保険などの加入手続きや仕事の獲得です。保険に関しては、どの保険に加入すればいいのか、国民健康保険への切り替えなどややこしくて後回しにしてしまいがちです。仕事も始めは、知り合いの伝手で紹介してもらっていてもずっとは続かないため、自分で営業しなければなりません。

今回は厚生年金についてと仕事の増やし方について紹介します。

仕事の増やし方

基本的な仕事の増やし方を紹介します。すべてをやるのではなく、参入しやすいところから始めるのがいいでしょう。

【営業】

仕事がない一人親方の仕事の増やし方1つ目は、営業です。仕事を増やすための基本ともいえる営業。

独立したての場合は、もともといた会社や当時の付き合いで仕事をもらっていけるかもしれません。しかし、いつまでも安定して仕事を受けられるとは限りません。会社がなくなってしまったり、人間関係がこじれてしまったり、他の業者さんや一人親方に仕事を回されたりするケースも十分考えられるからです。

また、単価が低い仕事ばかり受けていても収入アップにはつながりません。会社員の場合は、会社が営業して案件を振ってくれますが、一人親方の場合は自分で営業したうえでスキルや実績をアピールしていかなくてはいけません。

仕事を増やし今以上の収入を目指すなら、新規開拓は必須。身近な人脈を駆使するのはもちろんのこと、ビジネスチャンスとなるような出会いや人脈づくりを意識しておく必要があるでしょう。異業種交流や飲み会の席でたまたま名刺交換をした人から、依頼が舞い込む…なんて可能性も考えられます。

一人親方は、自らの持つスキル・経験がなによりの武器になります。自分の強みを見つけたうえで上手くアピールできるよう日ごろから意識しておくべきです。常に名刺も持ち歩くようにしましょう。

【インターネットで検索・応募する】

仕事がない一人親方の仕事の増やし方2つ目は、インターネットで検索・応募をする方法です。身近な出会いから仕事へつなげていく営業とは違って、より広い範囲でビジネスチャンスをつかめるのがインターネットを活用する魅力でしょう。

職種や業種、地域名などを入れて検索してみると、複数の元請け業者がヒットするのではないでしょうか。元請け業者では協力会社や職人の募集を行っているケースが多く、求人ページから応募ができます。

そこから応募をして話し合いを進めていき、互いの条件がマッチすれば仕事を受注できるでしょう。

また、インターネットで得た情報をもとに行う、飛び込み営業もおすすめ。今まで付き合いがなかった企業に自分を売り込むメッセージを送ってみたり、名刺をもって挨拶に行ってみたりする飛び込み営業は、顔と実績を売り込むチャンスにつながります。

インターネットで職人を募集している企業は、仕事量が多く人が足りていないケースも多いはず。上手にインターネットを活用し、身近な付き合いだけでは出会えなかった企業とのビジネスチャンスを狙いましょう。

インターネットの活用の仕方として自社ホームページやSNSでの情報発信も集客のツールになりますので、検討してみて下さい。

【マッチングサービスを使う】

建設業界専門のマッチングサービスがあります。

マッチングサービスとは施主と職人をつなぐためのインターネット上のサービスで、登録をすれば施主から直接仕事を受けることが可能です。元請けになれるということで、その分責任も多く、スケジュールの管理や施主との折衝も行う必要がありますが、利益率が高いのと、評判をサイトで蓄積できるのがメリットです。

【建設業キャリアアップシステムを利用する】

建築キャリアアップシステムとは国の提供するサービスで、建設業のキャリアを一人一人データ管理するシステムのことです。職種や資格はもちろんのこと、これまでにどんな現場でどんな仕事を請けてきたかなどもデータ化され、保存されています。

しっかりと経験を蓄積していけば、自動的に一人親方としての信用が溜まっていき、仕事をもらえるようになっていきます。

厚生年金について

日本で用意されている公的年金には国民年金と厚生年金の2種類が存在します。

今までどこかの会社に所属していて、年金保険料を給料から天引きされていた場合、厚生年金と国民年金の両方に加入しています。その一方で、一人親方は厚生年金に加入できません。

厚生年金は公務員や会社員が自動的に加入する公的年金であり、個人事業主である一人親方は加入できません。一人親方は国民年金に加入するのが基本です。

その他年金

【国民年金基金】

国民年金基金は厚生年金を受け取れない個人事業主が、国民年金のみでは生活できないためにできたものです。

国民年金基金と国民年金の名前は似ていますが別物で、20歳から60歳までの日本国民が加入できます。受給は65歳から受け取る事ができ終身年金が基本となっています。

特徴は

・老後に受け取れる金額が加入時にわかる

・掛け金が一定である

・掛け金が全額控除

という3つの特徴があります。

【個人型確定拠出年金】

個人型確定拠出年金は掛け金を毎月調整しながら、積み立ている年金です。

 特徴は、まず自由度が高い点が挙げられます。積立金額は5000円以上で1000円刻みと自由に選べます。受け取り方法も自由で

・一括受け取り

・5年〜20年の分割受け取り

・一部を一時受け取りし、残りを分割受け取り

の3種類の方法があり、自由に選択できます。

さらに税制上の優遇があり、経費として計上はもちろんのこと、運用での利益も非課税。

国民年金基金は確実に受け取れる金額がわかりますが自由度はありません。

それに対し個人確定型拠出年金は受け取れる金額は保証されませんが自由度が高い。

金額に限度があり、国民年金基金と個人確定型拠出年金の積立額が合わせて68000円/月までとなっている点には注意が必要です。

【民間個人年金】

民間保険会社が運営する個人年金です。

各会社が運営しているため、内容はざまざま。預貯金に比べてリターンは大きくなります。そして生命保険の形を取っているので、途中で亡くなってしまったとしても保険金が入ります。さらに生命保険控除が受けられるので、税制上も有利です。

国民年金をはじめ、国民年金基金、個人型確定拠出年金をメインにして、さらに老後の準備をしておきたい場合に考えてみましょう。

仕事を貰うために一番重要なこと

仕事を増やしていく一番大切なことは信用を貯めていくことです。どのような仕事でも引き受けたからには、誠心誠意行うことや連絡をしっかりととることなど社会人として当たり前で難しいことをどれだけ行っていくことが出来るのかが重要になります。信用を得ることで、仕事を紹介してくれるようになることが非常に多い業界です。

少しずつではありますが、常に心掛けて事業を行っていきましょう。

まとめ

以上、一人親方として仕事の増やし方や厚生年金について紹介しました。一人親方が加入できる保険の種類は多くはありませんが、必要な保険に加入しておくことで、厚生年金に加入出来ないデメリットを補えるようにしておくといいでしょう。特に老後の自身の生活費や家族の生活を守るためにも今から老後に備えておくことは遅くありません。少しでも多くの老後資金を貯めることで、引退後の自由度が変わっていくでしょう。しっかりと信頼を貯めて、お金を貯めていきましょう。