一人親方労災保険とは
労災保険とは、「労働者災害補償保険」の略称で、労働者の業務上または災害による怪我や病気などに対して補償する保険制度のことです。
労災保険による補償には、怪我などにより仕事ができず賃金を得られないときの休業補償、身体に障害が残ったときの障害補償、死亡したときの死亡補償などがあります。
本来、労災保険は個人で加入するものではなく、会社が加入することで従業員に適用されるものです。すなわち、一人親方のように独立して仕事を行なう方は、雇用されていない限りは労災保険の対象となりません。
しかし、雇用されていてもいなくても、現場で働いていれば事故に巻き込まれる危険性は同じです。そのため、業務の実情や災害の発生状況などから見て保護すべきケースとして、一人親方は特例的に労災保険への加入が認められています。
これを労災保険の「特別加入」といい、一人親方が建設現場に入る際の条件にも「労災保険に特別加入していること」が挙げられているのです。万が一のトラブルに備えるため、かつ現場に入るためにも、一人親方は労災保険へ特別加入するのが望ましいでしょう。
労災保険の選び方
労災保険は様々な団体が参入しており、どれを選べばいいのか分かりません。選び方の参考になるポイントを紹介します。
【入会金や組合費】
労災保険に特別加入する際には、労災保険料以外に、少なくとも入会金や団体の組合費(年会費)がかかります。入会金や組合費が負担とならない金額かを確認しましょう。
なお、組合費に関しては、1年分の一括払いと月ごとの分割払いが選択できる団体もあるため、自分に合う支払い方法や入会金などが安いものを検討してください。
【給付基礎日額の選択肢】
給付基礎日額とは平均賃金に相当する額のことで、労災保険料などの基礎となるものです。給付基礎日額は、3,500円から25,000円までの最大16種類のなかから選べますが、一般的には「前年の収入÷365日」で算出した金額と近い給付基礎日額を選択します。
ただし、算出した金額よりも高い給付基礎日額を選べば、その分補償も厚くなるため、労災保険を選ぶ際にはライフプランに合う給付基礎日額を選択できるか確認しましょう。
【更新手数料などの追加費用】
更新手数料や労災事故発生時の手続き費用、退会時の脱退手続き費用、組合証再発行手数料などの追加費用の有無も確認する必要があります。
入会金や組合費を安く抑えられても、追加費用が高額だと結果として負担が大きくなってしまうでしょう。
【すぐに加入できるか】
「現場に入るため、すぐに労災保険に加入しなければならない」などといった状況なら、即日もしくは翌日に手続きが完了する労災保険かを確認しましょう。
なお、即日・翌日に手続きは完了できるものの、追加で費用がかかる労災保険もあるため注意が必要です。
【割引制度】
労災保険の特別加入に複数名のグループで同時に申し込む場合は、団体割引が適用される労災保険もあります。複数名で申し込む予定があるなら、割引制度があるか、何名から割引になるかを確認しておくとよいでしょう。
大阪のおすすめ労災保険
ここからは、大阪近辺で活動する一人親方におすすめの労災保険を紹介します。
【大阪建設労働組合】
大阪府の建設業特化型の労災保険ですから、加入者は全員同業者。
加入時には大阪建設労働組合窓口まで足を運ぶ必要があり、横のつながりが作りやすい労災保険です。
加入手続きは各支部窓口限定です。ネット上や電話では加入できませんのでご注意ください。労災保険加入時には大阪建設労働組合への加入が必須です。
なお同時に大阪建設国民健康保険組合への加入もできますので、これから大阪府に腰を据えるなら大建国保・労災保険・労働組合に一括加入しても良いでしょう。
【このはな建設部会】
運営母体は労働保険事務組合のため、労災保険のプロ集団が手続きを行ってくれます。
労働保険事務組合とは、名前のとおり労働保険の事務作業に特化した組合です。
「自分は労災保険について何も知らないから丸投げできる組合にしたい」なら、このはな建設部会が良いでしょう。
申し込みはサイト内のフォーム送信やFAX、窓口から行えます。
このはな建設部会は大阪市此花区にありますので、近くに寄った際に窓口で手続きするのも良いでしょう。
14時までに手続きが完了すれば翌日加入が可能で、支払い方法は銀行振込で年間一括払いのみ。クレジットカード払いやコンビニ払いには対応していませんので注意してください。
【一人親方労災保険組合】
組合員限定優待サービスの「職人クラブオフ」では、人気グルメチェーン店をはじめ、カラオケや日帰り湯など全国20万箇所以上の施設がおトクに利用できます。大企業並みの福利厚生サービスが使い放題という嬉しい特典。期間限定の特別メニューやプレゼントキャンペーンも盛りだくさんの保険です。また加入もスムーズで便利です。
支払い方法は銀行振込だけでなくコンビニ払いにも対応しています。また分割支払いにも対応していますので、今まとまったお金が手元になくても加入可能です。
【一人親方労災保険RJC】
手続きが終われば追加料金なしで即日加入が可能です。加入者証は加入申込み完了した当日に発行されます。「突然元請から労災保険に加入するよう指示があった」というケースでもすぐに加入できる保険です。銀行振込だけでなくクレジットカードでも支払い可能です
カード情報はサイト内には保管されず、スマホやパソコンからでも安心してお使いいただけます。また代理加入も簡単に行えます。ご家族が代わりに手続きされる場合でもスムーズに進められます。
【一人親方団体 労災センター共済会】
労災保険料を1円でも安く抑えたい一人親方におすすめです。
入会金も年会費も、他の追随を許さない安さを誇ります。支払い方法は銀行振込・コンビニ支払い・クレジットカード引き落としの3種類で銀行振込・コンビニ支払いは1年分一括払いとなりますが、クレジットカード払いは月々の分割払いになります。WEB会員証が発行されるのも重宝される理由です。通常会員証や保険証は郵送されるまで待たなければいけませんが、一人親方団体 労災センター共済会なら、サイト内のマイページからWEB会員証が発行可能。労災保険加入日から会員証を手元に置いておけます。後日通常の会員証も郵送されます。
【西日本労災一人親方部会】
会合も政治団体とのしがらみがないので、加入後に余計な付き合いに煩わされることがありません。集金や班長制度もなしで、労災関係で時間をつぶすことなく自分の仕事に専念できます。なお専用の国保への加入義務もありません。
万が一の手続きにも西日本労災一人親方部会は対応もスピーディで、社労士と行政書士が在中しているので事故報告にも速やかに対応します。申請書類は専門家が無料で作成してくれ、加入者が1から書く必要はありません。事故報告事例がサイト上に掲載されているので、安心して任せられます。
まとめ
以上、一人親方労災保険について、大阪近辺のおすすめ労災保険を紹介しました。どの労災保険も保障内容に大きな違いはありませんが、加入後のサポートや一人親方との交流などの違いがあります。自分がどのようなスタイルでやっていくのかで加入する団体を選ぶのも一つの方法でしょう。もちろん保障内容の違いを見つけるのもいいでしょう。