日本は少子高齢化が進んでおり、年金などでも分かるように若者への負担が増え続けています。建設業界の現場でも高齢化が進んでいて、高齢ゆえの事故が増えています。

高齢化とともに気をつけなければいけないのが労災事故です。年齢を重ねれば重ねるほど体の反応が遅くなり、思い通りに動かなくなります

それと共に労災事故のリスクも増えていくでしょう。

ではどのように高齢の一人親方が事故を防ぐのか。エイジアクション100という取り組みとともに見ていきましょう。

一人親方とは

一人親方とは、建設業などで労働者を雇用せずに自分自身と家族などだけで事業を行う事業主のこと。元々は職人をまとめて仕事ができる能力をもっているという職階を示します。

長く会社に勤めていた人が収入を上げるべく、独立を果たすといった流れが多いでしょう。

どんなリスクが増えるのか

高齢になるに従って、労災事故が増えることはデータでわかっています。

特に建設業界においてはもともと事故が多い業種でもあり、職人の高齢化に従って労災事故が増えています。

データを見ればどんな事故が多いのかがわかり、高齢の職人にとって何が危険なのかがわかります。ですからここからは、50歳を超えると一体どんなリスクが増えるのかを見ていきましょう。

【転倒】

まず1つ目は転倒のリスクです。年齢を重ねれば体が動きづらくなってくる、それとともに足の動きが緩慢になる事は考えられます。

そして普段であれば若い頃であれば、問題なかったバランスの崩れであっても、年齢を重ねればそれによってバランスを完全に崩してしまうようなこともあります。

若い頃は何でもなかった事によって引き起こされる事故は考えられるでしょう。

【腰痛】

次に多いのが腰痛です。腰痛と一言に言っても色々とあって慢性的な腰痛もあれば、ヘルニアなどの病気になる腰痛もありますし、急性上にびっくり腰の場合もあるでしょう。

建設業は元々、腰に負担の多い業種でもあり、年齢と共に疲労を重ねている人も少なくありません。

腰痛が増えるのは論理的に見ても間違いないでしょう。

【熱中症】

夏場には年齢によって、熱中症にもなりやすくなります。

年齢を重ねれば、間違いなく落ちていく体力。自信がある方でも年齢には勝てず毎年少しずつ体力が落ちていくものです。それに加えて温暖化も加味しないといけません。

体力の低下にプラスして地球の温暖化。このダブルパンチによって熱中症になってしまうこともあるでしょう。

【墜落・転落】

そして最後のリスクとして墜落や転落です。

最近ではハーネスなどの対策がとられ、リスクは減ってきていますが、熟練者ほどうっかりハーネスをつけていない瞬間があったりするもの。

そのせいで転倒した時に、そのまま墜落の恐れもあるでしょう。

転落や墜落では、命すら危ぶまれます。このようなリスクがあることは備えておく必要があります。

エイジアクション100

エイジアクション100というのは、高齢化する労働環境において、 事業者側ができる安全への対策を100個集めたものです。

仕組みとしては働いている労働者へのチェック項目があり、そのチェック項目を調査した上で、もしその基準に達していない場合に対策を行うというものです。

つまり職場環境を改善に向けての取り組みを進めるための「職場改善ツール」です。これはどなたでも無料でインターネットからダウンロードが可能です。

エイジアクション100のチェック項目は、「転倒防止」や「視覚環境の整備」(掲示物は見やすいかなど)といった即時的な職場環境改善もあれば、「転倒・腰痛等の予防のための体力測定・運動指導」「がんの教育と検診」など身体的な不調の予防を行っているかなどもあり、多岐に渡ります。

このチェック項目を1年に一度もしくは半年に一度行い、前回と比べて改善点や悪化した点をあぶり出し、対策をしていくことで安全を確保していくものです。

個人個人の注意も大切ですが、それ以上に事故を起こさないために改善を行うことはこれからの高齢化社会において最も重要な対策でしょう。

個人でできるリスクへの備え

では個人でできるリスクへの備えについても見ていきましょう。

【転倒リスクに備える】

まず1つ目が転倒のリスクについてです。転倒については足元の環境の改善が必要です。

建設現場と言うのは日々状況が変わります。ですからものを床におかない等の対応もできますがそれだけでは不十分です。

工場なのであれば台車や物を置くべき場所を決めて転倒を防ぐ、通路にものをおかないなどの方法がありますが、 建設現場ではそうはいきません。

たくさんの人が出入りをし、そこで仕事を行っています。

ですから常に転倒のリスクがあることを念頭に置いた上で、さらに年齢によって体の反応速度が遅くなっている事を理解し、行動に繋げていきましょう。

【腰痛リスクに備える】

腰痛は誰でも起こるリスクです。

特にぎっくり腰に関しては、今すぐにでも防げるもので、体の使い方を正しく行いましょう。

ものを持ち上げる時は、腰を曲げずにしっかりと腰を落としてから抱えて立ち上がる。そして普段から姿勢を良くしておく必要もあります。普段の姿勢が腰へのダメージをためていく。

その結果、ヘルニアに繋がったりするわけです。

【熱中症リスクに備える】

そして熱中症に対しては、常に水分をしっかりと摂ることと、続けて炎天下や暑い室内で作業を続けないこと。

しっかりと休憩をとり、そして塩分もとり、体内に夏がたまらないようにするといいでしょう。

そして熱中症のダメージは溜まっていくもので、1日大丈夫でも同じ現場に数日間い続けることで、熱中症になることもあります。

【墜落・転落リスクに備える】

墜落や転落のリスクは店頭と同じように、自分の反応の速度が落ちていることを認識し、普段から気をつけるしか方法はありません。

そして決められた場所での安全帯は必ず装着すること。

熟練者ほど、慣れているために、安全帯をしない場合が多く事故につながっているようです。

自分は大丈夫と過信せずに安全対策に努めておきましょう。

エイジアクション100と共に、自分でも身長に対策を

エイジアクション100と言われる取り組みは行われているとしても、なかなか環境はすぐにはかわりません。ですからまずは自分で対策をしておく必要があります。

どんなリスクがあるのかをしっかりと把握した上で、自分でできることは必ずやっておきましょう。怪我や事故してからでは遅いのです。

大工の高齢化は45%に?

2040年頃には大工の約半数が高齢者になるという計算も出ています。大工という職業だけで半数なので、それ以外の建設業を含めると相当数の高齢者が存在することになります。

年齢も60歳を超えて70歳前半になってしまうそうです。今後も一人親方の需要は高まる一方高齢者が増えている問題に解決策を見出さなければなりません。

まとめ

以上、一人親方の高齢化、エイジアクション100について紹介しました。少しでも高齢者の労災事故を減らせるような取り組みが業界全体に浸透していき、機械の導入などで手助けすることが出来るようになればいいと考えています。まだまだ、国としての動きは鈍いですが、高齢化がさらに進むにつれ、この問題に焦点が当たるのではないかと思います。

まず今できることは、建設業界に携わる人たちの手助けです。一人親方が今後も存続していくために力を合わせたいです。