一人親方になるなら

一人親方として独立をしたいと思っている人の中には、企業に勤めているときよりも稼ぎたいと思っている人が多いと思います。実際に収入が上がった人もいれば、上手くいかず撤退を余儀なくされた人まで様々です。今回、一人親方として独立した場合にどのくらいの給料が得られるのかを職種別に紹介しますので、参考にしてみてください。

溶接工

溶接工は、高層建築物などに使われる鉄骨造を建築する場合の、構造を作っていく仕事です。

具体的には構造物、言い方を変えれば柱をアーク溶接などで繋いでいく作業をすることで、とても技術を要する仕事であり難関資格も必要です。資格はアーク溶接やJISの溶接技能者やAW検定などがあります。現在オリンピックや大阪万博、そしてカジノなどのIR施設、高層マンションの建設はそのほとんどが鉄骨造です。すでに完成していますが、スカイツリーの構造も溶接工の溶接によって作られています。さらに大型の建物の建設の鉄骨の他にも、鉄筋コンクリート造の鉄筋の溶接にも必要です。溶接工は今後も需要は無くなりません。

しかも溶接工は資格をとるのも難しいので、建設現場ではいつでも不足しており、需要が高いため建設業の中でも年収がとても高い職種です。

一人親方として溶接工を選択すると、年収は1000万円を超えることも可能な職種です。

大工

一人親方として独立する場合、イメージとして最も多いのが大工なのではないでしょうか。

大工は、主に木造建築物の新築・増築・リフォームなどを行うことが仕事となります。

家を建てる際には、まず依頼主の要望をもとに建築士が建築物の設計を行います。

その時に作られる設計図に基づいて建築に使うための材料を加工し、実際に建造物を建てていくのが大工の仕事です。この時に大工が手がけるのは、外壁や屋根、床、天井の下地を作る部分。大工は建築物が建てられていく過程において、非常にたくさんの部分に関わっているため、重要なポジションであるということが分かります。

一人親方が大工を選択した場合の平均年収は約900万円です。平均ですので、1000万円超えも充分可能な職種であることが分かります。

左官

左官工事業は、一般的に左官と呼ばれます。左官とは簡単にいうと、壁を塗る職人さんのこと。一般的な住宅や商業施設では、壁を塗ることはせず、壁紙を貼って終わりです。なんと言っても簡単でかつ安く機能も不満のないレベルだからです。しかし土系のものやコンクリート系のものをコテで塗り、手作業で装飾をした壁は質感がまるで違いますし、室内の湿度のコントロールや、ハウスシック症候群の原因となるホルムアルデヒドもありませんので、健康志向の高まりと共に増えてきています。住宅はもちろん内装にこだわる商店や飲食店などの内装で活躍できます。すべて手作業により行うため、熟練した技術が必要です。現在でも親方と弟子の関係が続く建設業と言えます。

一人親方として左官工事業を選択した場合の年収は450万円∼650万円となるでしょう。

しかし、左官は腕前が目に見える仕事なので、技術力によっては平均年収を大きく上回ることが出来るでしょう。

内装

内装仕上工事業は、石膏ボード、木材、壁紙(クロス)、ビニール床タイル、カーペット、ふすま、フローリング等の材料を使い、建築物の内装仕上げを行う建設業です。

部屋の中の機能を実現するための工事であったり、住宅であれば室内で快適に過ごすには内装仕上げが欠かせません。

外からの音を遮断したり、断熱も内装仕上げの仕事。もちろん見た目も大切です。

内装工事なので、重労働などはないように思うかもしれませんが、内装パネルなどを建物内に運び込まなければなりません。とても重労働でかつ、建設中の内装を潰さないように注意する必要もあります。しかも目に見える部分なので繊細な仕事も求められます。

ただし一人前になれるまでの期間は短く、一人親方として独立しやすい職業と言えるでしょう。一人親方として内装業を選択した場合の平均年収は、630万円となります。内装のみで1000万円を超えることは少々難しいでしょう。

塗装

塗装工事業は、工作物に対し塗料を塗りつけたり、貼り付ける工事をする業種です。

具体的な例として、塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上げ工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事などがあります。建築物だけでなく、道路や自動車への塗装も塗装工事業の1つです。一人親方として塗装を選択した場合の年収は、522万円となります。

需要はこれからもあり続けるため、仕事がなくなることはない安定した職種でしょう。

足場

いわゆるとびと呼ばれる職種です。とびとは建設現場にて高所で作業する人たちのこと。実際にはそれだけではありませんが、一般的な建設現場においては足場を組み立てる作業員のことをさします。

建設現場で足場がなければ他の業種の作業員は、作業ができませんので大変重要な仕事です。

最終的に建築物を完成できるように足場を組み立てる必要があり、さらに建設後の足場の解体も含めて考えなければいけませんのでかなり頭も使います。

高い場所にまず足場を作る仕事のため、高所作業が多く怪我をする人は少なくありません。万が一のためにも労災は必須の業種といえます。

給料は建設業の中では比較的高く、熟練した一人親方であれば日当で2万円を超えることも多いでしょう。一人親方としてとびを選択した場合の年収は600万円程度で、職人を雇うようになると1000万円を超えていきます。

一人親方として給料をアップするには

年収を上げるためには単価の高い仕事をする必要があります。つまり、気象性の高い仕事をするなり、資格を持つといいでしょう。どれだけみんなができる仕事を頑張っても収入は大して上がりません。時給1000円の仕事をどれだけ頑張っても時給2000円の仕事をしている人に追いつけないでしょう。まずは、単価の高い仕事を受けられるようになるのが、最初の一歩です。ここを間違えると、一生苦しむことになります。

また、収入を上げていきたいのであれば、安請け合いをしてはいけません。どれだけ仲のいい人からの紹介だとしても安い仕事ばかりを受けていたら、収入は上がりません。

しかし、付き合いの中でどうしてもこれ以上は譲れないというラインを決めておきましょう。そうすることで、収入を大きく下げることのないようにしていくことが出来ます。

インターネットの利用?

現代は、IT化が進んだことによるインターネット社会です。これまで、足を使って行っていた営業は形を変え、インターネットを使った集客も必要になってきます。

コロナ禍の現在、特にネットでの検索が多くありますので、自社ホームページを持つことは非常に大きな意味を持ちます。一人親方として収入を上げるための戦略の一つとしてネットを使った集客にも力を入れていきましょう。

まとめ

以上、一人親方の職種別の給料を紹介しました。一人親方として独立すると、従業員時代より年収は上がります。職種によっては、1000万円を超えていくことも充分にあり得るのが魅力です。その分仕事は大変になりますし、リスクもあるので、しっかりと準備と調査はしておきましょう。また、資格取得も積極的に行い自分の能力を常に高めることも忘れないようにしてください。努力を怠らないことが年収アップのコツです。もちろんそれだけではありませんが、大切な要素の一つです。