トラックの運転手といっても仕事の内容からさまざまな種類に分かれ、運転するトラックの大きさや走行距離などによって異なります。また、仕事の内容に対して必要な免許も違ってくるので、トラック運転手として仕事をする場合は自分の持っている免許の種類などに合った仕事を探すことが大切です。

今回は、トラックの運転手の収入や種類、仕事内容、必要な免許について紹介していきます。

トラックの運転手の種類

トラックの運転手は、主にトラックのサイズによって大まかに、小型(2トン)・中型(4トン)・大型(10トン)の3種類に分けられます。未経験でトラック運転手になる場合は小型トラックの運転から慣れていき、その後中型トラック、大型トラックの運転と徐々にサイズの大きなトラックの運転へと段階を踏むのが一般的です。

小型トラック(2トン)

小型トラック(2トン)は、コンビニや宅配便といった近距離向けのトラックで、細い道などでも活動できるサイズとなっています。

中型トラック(4トン)

中型トラック(4トン)は、安定した走りをできてある程度の積載量が持てるので、近距離・中距離で利用されることの多いトラックです。

大型トラック(10トン)

大型トラック(10トン)は、長距離および大量の荷物を輸送する際に利用されているトラックです。小型・中型に比べて仕事の負担が大きいため、その分給料が高めになります。

トラックの運転手の仕事内容

トラック運転手の仕事内容は、積み込みや輸送、荷下ろし、配達などになりますが、荷物の運搬のために走る距離が近距離と長距離で比べると大きく異なり、働き方にも違いが出てきます。一般的には走行距離が長くなるほど仕事として大変なイメージもありますが、時間や体力、配送件数など、「何を大変と思うか」によっても違ってくるでしょう。

近距離

近距離の仕事は片道200~300km程度の距離で、一度に複数の届け先に配送するのが一般的です。そのため積み下ろし作業は多くなりますが、基本的には毎日帰宅することができるような仕事になります。

中距離

片道500kmくらいまでの範囲が中距離と呼ばれており、積み込みや納品先によっては泊まりになることもあります。また、中距離のドライバーとして働いていると、時には長距離の配送を任されることもあるようです。

長距離

両距離の仕事となると、片道500km以上を走る仕事を指します。そのため、他の距離の仕事と比べて運転時間および拘束時間が長くなります。場合によってはパーキングエリアなどで車中泊することもありますが、納品先が複数になることは少なく、積み下ろしの回数も少ないのが特徴です。

トラックの運転手に必要な免許

トラックの運転手として働くためには、運転するトラックの大きさに合わせて普通自動車運転免許・中型自動車運転免許・大型自動車運転免許のいずれかが必要です。

そのほかに「牽引免許」や「フォークリフト運転技能者」などを取得していると、携われる仕事の幅が広がったり、収入アップにつながったりする可能性もあります。

また、近年では資格取得者に別途手当を支給している会社も多いため、資格取得によってさまざまなメリットが得られるでしょう。

牽引免許

ボートなどの大型荷物が牽引できるようになるため、より多くの種類の荷物を輸送することが可能です。特に大型トラックの運転手は、牽引免許があることでさまざまな仕事に携われるので、その分収入アップが期待できます。

フォークリフト運転技能者

積み込みや荷下ろしの手間が省けるのはもちろん、大型荷物の積み込み・荷下ろしも自分でできるようになります。そのため、倉庫や工場などから荷物を輸送している場合は取得しておくと良いでしょう。

中型トラック運転手の年収

中型トラック運転手の年収は400万円~600万円となります。大型トラックの次に高収入となっており、長距離配送がメインとなる会社では高めの年収となる傾向にあります。大型トラック運転手と同じく、大手の企業であるほど収入が高くなりやすく、危険物取扱者の資格やフォークリフト免許がある場合は手当などがつく会社もあります。

中型トラック運転手の仕事内容

中型トラック運転手の場合、中型免許(5t以上11t未満)が必要となります。小型トラックに比べ積載量が多くなるため、中距離から長距離の運転業務がメインとなります。

積載する貨物も多岐にわたり、就職する会社によっては危険物取扱者の免許や積載時に使用するフォークリフト免許が必要となる場合もあります。大型トラック運転手の仕事は長距離が多いのに比べ、中型トラック運転手の場合は日帰りでの業務が多く、ルート配送などの場合は一日のうちに複数回往復して貨物を運送することもあります。

ある程度、配送先やスケジュールが決まっているため、決まった曜日に休みを取りやすいことも特徴の一つです。

小型トラック運転手の年収

小型トラックの平均年収は300万円~550万円ほどとなっており、大型、中型トラック運転手と比べると低い傾向にあります。

運転免許などの資格がつきにくく、長距離配送が少ないために低くなっていると言えます。そのため、長距離配送の業務であったり仕事量の多い会社であれば年収600万円以上稼ぐことも不可能ではありません。

小型トラック運転手の仕事内容

小型トラックの場合、大きな荷物や大量の荷物を運ぶことが無く、ルート配送など近距離での配送が多くなります。そのため、体力面では負担が少なく女性でも十分活躍が可能と言えます。

軽貨物ドライバー運転手の年収

トラック運転手とは少し異なりますが、ドライバーとして年収600万円も可能です。EC事業関連の軽貨物などが増加したこともあり、最近では社員ではなく独立して業務を請け負い生活する軽貨物ドライバーが増えてきています。

個人事業主のため、仕事内容や時間、給与が決まっておらず自分の体力にあわせて仕事を増やしたりすることが可能です。

個人事業主ドライバーであれば配達個数を増やすほど収入が増えやすく年収600万円をこえるドライバーも存在します。

一人親方として独立するのに必要な事

独立してトラックドライバーとして仕事をしていくにはいくつかの必要な事があります。運送業には緑ナンバー取得が必要です。軽自動車の場合、貨物営業ナンバーは黒ナンバーが必要で、これは1台からでも取得出来ます。

しかしトラックの貨物営業ナンバーは緑ナンバー、これを取得するには一般貨物自動車運送事業の申請をして許可を得なければいけなのですが条件が厳しく設定されています。

一般貨物自動車運送事業の許可要件

・営業所ごとに車両を5台以上揃えること。
・運行管理者1人とドライバー5人の最低でも6名の人員が必要。

つまりトラック一台では緑ナンバーはとれないという事になります。

受注する仕事量が増えて車両持ち込みで来てくれる人が自分を含め6人になったらやっと緑ナンバー取得が出来ます。

例外もある

霊きゅう車、一般廃棄物運送、島(他の地域と橋梁による連絡が不可能なもの。)の地域における事業の場合には1台でも緑ナンバーの取得が可能です。

白ナンバーでの仕事

原則、白ナンバーでは物を運んだ対価として運賃を得る事は出来ません。

建設現場で砂利などを運んでいる白ナンバーダンプは自分で砂利を購入、それを販売するという形を取っています。ものを運ぶ運賃ではなく仕入れた商品を売っているという形なため、白ナンバーで作業出来ます。

港で陸揚げされたコンテナをドライバーが自分で購入。し、そのコンテナが欲しいという人のところまで運んでいって売るという方法もあります。あくまでも自分で買ったものを運んでいるだけなので白ナンバーでも問題ありません。

ナンバー貸し

自分で緑ナンバーがとれない場合、元いた運送会社から緑ナンバーの名義だけ借りて営業するという方法がありますが、これは法律違反です。

「ナンバー貸し」とは一人親方のような個人ドライバーが緑ナンバーでなければ出来ない仕事をするための方法です。一般貨物自動車運送事業の許可を持っている運送会社などに自分の車を持ち込み、その会社名義の車検証してもらいますが、決して行ってはいけない方法です。注意して下さい。

まとめ

以上、トラック運転手について紹介しました。トラック運転手はとにかく長時間運転をするため、腰や目に負担の行く職業です。運動不足にもなりやすいため、しっかりと普段から体を動かすことが必要になります。運転が好きな人にはとてもやりがいのある仕事ですので、考えてみて下さい。