畳職人とは

畳職人とは畳を作る仕事です。一般的な畳だけでなく、有職畳や御道具畳なども作っています。畳職人とは、どんな仕事なのか。端的に言ってしまえば、畳を作ることが畳職人の仕事です。

畳職人は畳を作る仕事

一言で説明できるので、簡単な仕事のように思われますが、畳を作ることは以外にも奥が深いもので、寸法を測るのに計算も必要ですし、30キロを超える畳もあるので力が必要ですし、長持ちする為、綺麗に納品する為の技術も必要ですし、お茶室や有職の知識も必要な仕事になります。

畳の歴史

畳は日本の歴史と共に歩んできた敷物です。畳の歴史は約1300年近くあると言われ、かつては位の高い皇族や貴族の方が格式を表す為に使用された敷物(家具的な役割に近い)として使われていました。

畳を学ぶことは日本を学ぶことであり、日本を学ぶことは畳を学ぶことでもあります。そうした歴史的背景から畳に使われる縁などの種類は数多くなり、仏教伝来と同時にさらに増えることになります。

畳職人の仕事内容

畳職人の仕事は部屋の寸法に合わせて「い草」(もしくわ和紙)を編み込んだ畳表と藁を圧縮して作った床(もしくわボードとクッション材を層にした床)を縫い合わせ、部屋に敷き込む仕事です。

私たち畳職人の主な仕事は、お客様の家に敷いてある畳を引き上げて新しい畳に交換する仕事です。「ただ畳を交換するだけ?」と勘違いされないように申し上げれば、畳という敷物は一枚一枚大きさが違う完全オーダーメイドの商品になります。

なので作り置きはできませんし、畳の状態によってはかなり修復しなければならないこともあります。表替えにしても、新畳にしても簡単にすぐ出来るというわけではないのです。

畳職人の仕事紹介

寸法
技術力
い草を見極める(目利き)
人の家にお邪魔する仕事

特に、畳で一番重要視されているのは寸法です。

畳のサイズが3ミリでも大きいと畳表が膨れ上がってしまうし、3ミリでも小さいと隙間が空いてしまいます。その為、和室の寸法を測る際は、正確に測る必要が求められるので、中学校卒業レベルの数学は必修となります。

次に畳で重要視されるのは技術力です。

技術力と一般的に言うと、綺麗に仕上げることなどの見た目のことを言いますが、畳職人においての技術力は見た目というより、長くお客様に使ってもらう為の耐久性に関わることを指しています。

畳って敷き込んでしまえば、どのように施工したのかわからないですよね。変な話、ノリで接着したり、タッカーを打ち込んだりしても表面上に何も問題無ければバレないわけです。

でも、それって長期的に考えると耐久性に不具合が生じます。ノリは剥がれてきますし、タッカーは錆びて取れてしまいますので。つまり、表面上を綺麗にすることは本当の意味での技術力ではないのです。

では、技術力とは何かというと目に見えない箇所に使われる技術のことで、長く使ってもらって初めてわかることだと思っています。

最近では、畳の製造を全て機械化している畳加工会社があると聞きます。畳を機械で作ることは否定はしませんが、畳職人の仕事としての矜持があるのなら機械任せにするのではなく、目に見えない箇所に技術力を使うべきだと私は考えています。

次に畳職人の仕事で重要なのは、い草を見極める目利きの能力です。本当に綺麗な畳表を提供する。それも畳職人の仕事です。

これまで畳の技術的な部分の話をしてきましたが、畳職人の仕事は畳表の目利きも重要な仕事になります。

目利きとは仕入れと関係する話で、どのような畳表を使うのか、品質はどうか、色はどうか、畳表の厚さはどうかと様々なチェックをして畳表を購入します。

畳表の材料であるイグサは自然のものですから、その年の環境によっては出来具合も異なるので、去年良かったら今年も良いと思って購入すると失敗してしまうこともあります。

では、どうやって畳表を判断していくのか。これは単純に色々な畳表を見ること、触ること、農家さんや卸屋さんから話を聞くことが一番だと思います。

もし畳職人になりたいと考えているのであれば、畳の技術を学ぶだけでなく、農家さんを訪ねたり、材料屋さんに話を聞きに行くなどの良い畳表を仕入れるための目を養う必要があります。

畳職人になるには

畳職人になる為の方法は3つあります。

畳の学校に通う
畳屋に直接弟子入りする
畳と内装を施工する会社に入社する

畳の学校に通う

畳の学校には全国から訓練生が集まります。全国の畳職人の卵たちと繋がりができるし、遊べて楽しいし、切磋琢磨するので個人的にはおすすめです。

実は畳職人になるために職人の卵たちが通う学校があります。

京都府、福岡県、埼玉県、茨城県、東京都、石川県(石川県の学校は技術のある畳職人がより高い技術を習う学校)に6校存在し、技術習得のため日々邁進しています。

それぞれの学校によって特色があり、教え方も授業時間も違うので一概に言えないですが、畳を一枚作ることはどの学校を選んでもできるようになります。

関東だと茨城県の訓練校は畳の工芸品を作る技術力に定評があり、埼玉県は畳を速く作る技術に定評があると聞きました。

京都の畳の学校の特徴は丁稚制度が導入されていること、毎年畳の技術を競う畳技術競技会があること、産地見学や畳材料&機械メーカーの見学に行ったり、旅行に行ったりできることなどがメリットです。

畳屋に直接弟子入りする

今でこそ少なくなりましたが、昔のほとんどの畳職人は弟子入りして畳の技術を習うのが一般的でした。昔は今みたいにネットがあったわけでもありませんから、技術を学ぶのであれば効率的な学び方だと思います。

畳や内装を施工する会社に入社する

現在において、最も適した畳職人になる方法は畳や内装の施工会社に入社することかもしれません。と言うのも、畳の需要は減少傾向にありますし、内装業も一緒に学べるならメリットばかりだと考えられます。

それでは、畳製作一級技能士になるまでの過程を紹介します。

畳製作一級技能士になるまで

畳製作一級技能士になるまでの過程は、まず畳製作二級技能士を取得すること、その畳製作二級技能士の受験資格は2年以上の実務経験の後、実技試験に合格することです。

そして畳製作二級技能士を取得した後に3年以上の実務経験をして、やっと畳製作一級技能士の受験資格が得られます。畳製作一級技能士の試験内容は、実技試験と学科試験の両方あり、実技試験は板入れ新畳製作と床の間の本式(龍鬢)を制限時間に完成させることです。

学科試験は、普段やっている仕事のことなので、そこまで難しい試験ではありませんでした。畳製作一級技能士になるまでの過程で最も最短ルートは、畳の学校に通って、二級合格の後に一級を取得するのが一番最短ルートだと思います。

畳職人の進路について

畳職人になった後で進む道は大きく分けて2つあります。

どこかの店に勤める
自分で開業する

一生かけて職人としてやっていくか。独立し、開業するか。どちらにしても言われたことだけをやる時代は終わりました。これからは主体的な行動が求められます。畳職人の進路には大きく分けて二つあります。

一つ目は、どこかの畳屋もしくは畳を含めた内装会社に勤めることです。畳は需要が低下している業界ですが、人手不足の業界でもあります。

若い人で技術を持っていて、知識もある方だったら欲しいという畳会社は沢山あります。給料や待遇については、会社によって様々ですが、働き口に困ることは少ないでしょう。

二つ目は、自分で開業すること、つまり独立することです。ただし、開業と言っても、いきなり店を構えるわけではなく、職人の下請け、フリーランス的な働き方です。

地域の知り合いや建築関係の知り合いが増えれば、自分で仕事を取ることも可能になるので、そうなったら工場を借りて畳屋を開業するといいでしょう。インターネットが普及した今、収益化は様々な方法で行うことができます。

畳職人の年収

製造メーカーの場合、月収でいうと16万~45万円くらいと非常に幅が広いです。そして畳職人の平均年収は300万円前後となります。

そして畳屋に弟子入りした場合は時給1000円程度です。住み込みで働いている場合、給料はお小遣い程度という場合もあるようです。

畳屋は軌道に乗れば平均年収800万円超えも

畳職人として腕を磨き、畳屋の独立開業を行った場合、軌道に乗ると平均年収が800万円を超えることも可能です。

畳職人は、一般的に他業種と比べて技術職・専門職の平均年収は高いです。自分で何かをつくって形にする職種は収入が高い傾向にあるようです。