ガラス工事

ガラス工事は建物の窓枠や外壁の下地枠に、板ガラスをはめ込み外壁の一部を構築する作業です。住宅建築では、窓ガラスやエントランスの自動ドアのガラスとして使用されています。

店舗や事務所ビル建築では、窓ガラスのほかに、ガラス製の外壁(カーテンウォールなど)用の建材として採用されることがあります。ガラスは、室内の採光・意匠性・エネルギー効率を考慮して選択されます。

近年では、ガラス自体に加工をすることで付加価値を与えて、より安全性や居住性の確保ができるように材料自体が進化していますね。

建築物ではガラスを設置することで使用者が快適に過ごせるように計画されています。そのため要求された性能のガラスを適切な位置に施工することが大切です。

また、材料についてよく知り適切な変更を提案することで建物にとって、より適切な選択ができるようになると尚良いです。

ガラス工事の作業

ガラス工事は、工場で製造されたガラスを工事現場で組付けた枠や下地に取り付ける工事です。ガラス工事の多くは手作業で行われ、ガラス自体の移動はガラス取付用の吸盤を使用して実施します。

ガラスの固定は枠の中にセッティングブロックを入れてからガラスをはめ込み、隙間を不定形シーリング材を充填する方法や、定形シーリング材(ガスケット)にはめ込む方法があります。

住宅などでは不定形シーリング材を充填する方法が採用されやすいですね。

建築物に使用されるガラスの種類

次にガラスの種類について確認していきましょう。ガラスは板ガラスとしての種類、加工状態での種類に分かれます。

板ガラス

平板状に成型されたガラスで、住宅や店舗など様々な建築物で採用されます。
フロート板ガラス
最も一般的な板ガラスです。表面が平滑で透明です、厚さは1.9mm~19mmから選択されます。

型ガラス
板ガラスの片側に模様がついたガラスです。ざらざらした模様によって視線を遮る効果があります。

網入りガラス
フロート板ガラスや型ガラスを製造する段階で金網を入れたもので、火災などで破損した場合に破片が飛散しにくい特徴があります。防火・準防火などの制限ある場合に使用されます。

熱線吸収ガラス
日射による影響をガラスへ吸収させるために、製造時に微量の金属を加えて着色したガラスです。日射エネルギーを30~40%程度吸収することで、室内へ透過する熱を抑え、冷房効果を高めることが出来ます。

熱線反射ガラス
板ガラスの表面に薄い金属膜でコーティングすることで、日射エネルギーを反射する効果を持たせたガラスです。反射によって30%程度の遮光性を持っており、ハーフミラー状になります。

表面はデリケートで、傷つきやすいのでやわらかいスポンジなどの優しく清掃する必要があります。

加工ガラス

次に板ガラスに加工を加えたガラスの紹介です。

強化ガラス
板ガラスを650~700℃程度まで加熱してから表面を急冷することで、ガラスの表面に強い圧縮応力の層を形成したガラスです。

フロート板ガラスに比べて、対風圧強度は3~5倍に高められています。

破損時には全面が粉々に破壊されて脱落するため、外壁面や天窓などの破損時に脱落すると危険な部分には使用できません。強化加工後は一切、切断や穴あけなどの加工が出来ないといった特徴があります。

倍強化ガラス
板ガラスに熱処理を加えて、強度を2倍程度に高めたガラスです。破損時の割れ方はフロート板ガラスと同様な破壊形状のため、強化ガラスが使用できない外壁面などにも使用ができます。

熱処理加工後は一切、切断や穴あけなどの加工が出来ないといった特徴があります。

複層ガラス
板ガラスと板ガラスの間にスペーサーを設置して、密封された中空層を持つユニットガラスです。断熱性能は単板ガラスの約2倍あり、中空層の断熱効果で結露が生じにくい特徴があります。

小口は止水されているため、あとから切断などの加工は一切できません。

合わせガラス
2枚以上のガラスの間に、透明な特殊樹脂フィルムを挟み、加熱圧着させたガラスです。

破損時の破片の飛散が防止されるので安全性が高く、住宅の窓ガラスや、高層階のバルコニー手摺ガラスなどで採用されます。中間膜の種類によって防犯性や防音性を高めることが可能です。

Low-E複層ガラス
Low-E: Low Emissivity (低放射)
複層ガラスの中空層の面に対して特殊金属加工を施したもので、従来の複層ガラスより断熱性能の高いガラスです。

金属加工された側が内側が外側になるかで性能が大きく変わるので取り付け間違いに注意します。
ガラス面の隅などの見えにくい箇所に、印字されていることが多いのチェックしましょう。

窓ガラス工事の工程

つぎにガラス工事の流れを確認していきましょう。

作業所からガラスの発注

ガラスの種類は、設計図の仕上げ表や建具表に記載されています。

ガラスのサイズは、取り付ける枠の有効寸法とクリアランスとの関係で決まるため、基本的に金属建具の詳細図・製作図が確定した後で発注を行います。

加工ガラスは基本的にあとから切断・穴あけなどの加工が出来ないためしっかりとサイズが決まってから発注しましょう。

工場にてガラスの製造

板ガラスは工場にて、珪砂・炭酸ナトリウム・石灰を溶かし、溶融金属の上に流して連続製造されます。

製造された板ガラスは指定の加工がされ、製品検査に合格した後に出荷されます。

運搬

ガラスをトラックに積み込み運搬されます。

ガラスは基本的に立てかけた状態かつ、それぞれが接触しないように養生された状態で運搬されて工事現場へ搬入します。

現場にて材料検収

厚み、種類、小口処理状況、傷や変形の有無を確認して記録に残します。

ガラスの取り付け

ガラス取付用の吸盤を使用して、所定の位置へガラスをはめ込んでいきます。

ガラスシーリング充填

ガラスを固定するために不定形シーリング材を充填します。

シーリング材が固まる前に窓を開閉したり、ガラス面を揺らしてしまうとシーリング材が膨れたり、みだれるため、硬化するまでは接触禁止です。

可能であれば施工したエリアは立ち入り禁止としましょう。

養生

ガラス取付完了後は、ほか工事中に接触して割ったり傷つけないように張り紙などをしておきましょう。

特に加工面が表面出ているガラスは傷つきやすいので要注意です!!

ガラス工の平均年収

ガラス工事業の平均年収は411万円です。建設業全体の平均と高めで、日本人の平均年収と同程度です。あくまでも平均年収ですので、どんな工事を行えるかや地域によっても年収は変わるでしょう。

年齢による、会社にお勤めの平均月収を見てみると、

20代で22.7万円/月
30代で31.7万円/月
40代で41.2万円/月

というように、20代でも他の建設業に比べると高く、年齢によって月収はあがっていく傾向です。ガラス工事業はできる技術によって大きく年収は変わるようです。

一人親方になった場合はもう少し高く、年収で800万円前後で、一人親方を卒業して職人を数人雇うようになれば年収1000万円も可能です。

まとめ

以上、ガラス工について紹介しました。透明で美しく、建物の閉塞空間を開放的に演出したりとガラスの重要性はとても高いものになります。

職人として、様々なガラス加工技術を身に着け、ガラスの魅力を最大限に引き出しましょう。ガラスは非常に割れやすく、怪我もしやすいので、確実に技術を習得する必要があります。最近では、スクールなども行っているので、検索してみるのもいいでしょう。