表具とは
表具とは、布や紙を貼って仕立てがされた巻物や掛け軸といったものをいいます。あるいは仕立てることも表具といいます。表具は裂地や和紙を糊(のり)によって貼り合わせるという作業を中心とした、道具に関する仕立て全般を指す言葉として現在も存在しています。
古くは平安時代頃に中国から伝来した技術とされており、経巻や仏画の保護や装飾をする技術として、表具の歴史が生まれました。
室町時代に職として確率された後、第二次世界大戦以降に、表具を扱う職人の団体として現在の東京表具経師内装文化協会が発足されたのです。この団体を手本として発足した、日本全国の表具職人の団体を、全国表具経師内装組合連合会といいます。
内装仕工事ってどんな工事
では、内装仕上工事って本当はどんな工事なのでしょうか。
確かに、内装仕上工事では、床、天井、たたみ、ふすま等の建築物の仕上工事のほとんどを受け持つことになります。
建築一式工事や他の専門工事、例えば、大工工事、左官工事との違いもわかりにくいケースもあります。
でも、大変な時間と労力をかけていろいろな確認書類を揃えて建設業許可を申請したら、審査官より工事業種が違うと判断されたらがっかりです。
また、建設業許可の申請書や確認書類を再度整理しなおすことになり、思いのほか建設業許可の取得に時間がかかってしまうこともあります。
更には、工事業種の勘違いから、建設業許可そのものをそもそも取得できなくなってしまうこともあります。
本記事では、そんな残念な事態にならないよう、建築系専門工事業の勇、内装仕上工事について工事事例を含めてわかりやすくご説明したいと考えています。
内装仕上工事の内容
先ずは、内装仕上工事の内容について概略を押さえておきましょう。
内装仕上工事は、木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、畳、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を使って、建築物の内装仕上を行う工事とされています。
建築物の施工現場においては、他の工事業種と比べて該当する作業範囲がとても広い工事業種と言えます。
例えば、建築一式工事に当てはまらない建築物の改修や改築工事の多くも、内装仕上工事に当たる可能性があります。
少し乱暴な言い方ですが、内装仕上工事の建設業許可があれば、建築物の室内の工事であれば大抵の工事をできると言われる建設業者様もいらっしゃいます。
そんなこともあり、建設業者様にとっては建築一式工事と並んで内装仕上工事はとても人気のある工事業種となっています。
※建設業者様は、工事業種毎に建設業許可を取得しなければなりません。
※従って、内装仕上工事の建設業許可さえあれば建築物の室内の一切の工事を施工できるわけではなく、その点はご注意願います。
内装仕上工事の内容
ここからは、内装仕上工事の内容についてもっと具体的に説明していきます。
先ずは、建設業者様の中には、内装仕上工事に当たる工事を建築一式工事と勘違いされる方がいらっしゃいます。
この点については、一般的には建築確認申請を必要としない建築物の改修や改築工事については内装仕上工事に当たると考えてください。
また、リフォーム工事の中でも、天井仕上工事、パーテーション工事等の内装間仕切り工事は、内装仕上工事となります。
壁張りやクロス(壁紙)張り工事も内装仕上工事です。
また、建築物の室内の原状復帰工事も内装仕上工事の代表例となります。
建築物に家具を据え付けたり、家具の材料を現場で加工したり組立を行ったりして現場に据え付ける家具工事も内装仕上工事にあたります。
普通の建築物の通常の防音工事も内装仕上工事になっています。
ただし、ホール等の構造物に音響効果を目的とするような工事は内装仕上工事の防音工事には当たりません。
インテリア工事、カーテン取付工事も内装仕上工事となります。
もちろん、床仕上工事、畳工事は内装仕上工事です。
内装仕上工事に当たる畳工事は、採寸、割り付け、畳の製造・加工から敷き込みまでを一貫して請け負う工事となります。
なお、ふすま工事については、建具工事に分類することもできます。
技能士
技能士(ぎのうし)とは、技能検定に合格した人に与えられる国家資格である。技能検定に合格しないと名乗ることはできない名称独占資格であり、合格せず名乗った場合は法律で罰せられる。 技能士は、職業能力開発促進法第50条に規定されている。
労働技能の認定は厚生労働省が所管し、中央職業能力開発協会に委託されたものを各都道府県職業能力開発協会が試験実施すること(都道府県方式)が多いが、一部の職種では厚生労働大臣が指定している民間の指定試験機関により実施される(指定試験機関方式)。
等級として、特級、1級、2級、3級の区分がある職種と、単一等級のみで区分がない職種がある。また、外国人研修制度や技能実習制度の外国人の研修生や実習生に対しては、「基礎級」として、基礎1級、基礎2級、随時3級の区分がある。職種の中で作業や業務の内容によって分類されている職種もある。
技能士(ただし、民間の指定試験機関が実施する職種を除く)には、厚生労働大臣から級に応じて合格証書の交付と「技能士章」(旭日章の中央に“技”の一文字入りバッジ 特級:文字部分白抜きの金色、1級:全体が金色、2級:全体が銀色、3級:全体が銅色)が交付される(厚生労働省)。
表具師の仕事
表具掛け軸や額装、襖(ふすま)、屏風、衝立、帖、障子張り、貼付壁といった、表具と言われるものの設計や作成をすることが表具師の主な仕事です。また、年月が経過するごとに必要となる、襖や障子の紙の張替えや、屏風や衝立の修復する仕事もしています。
表具師の仕事場は居職が中心となっており、自宅を工房として利用している場合がほとんどです。
文化財の修復に携わるものもあり、技術職としてかなり繊細な作業を要求される仕事が必然的に多くなる傾向があります。
表具工の年収
表具師はまず職人の見習いとして入社することになります。見習いとしてある程度の必要な作業を身に着け、それから現場に向かうことになります。
あるいは個人の工房で修行した後に博物館などに所属して表具師として勤務することもあります。年収は大体400万円から500万円と言われています。
手作業が多くなる職業であり、所属する場所もそれぞれであることから、勤務体系や福利厚生は所属した会社や事務所、工房によって大きく異なってきます。
表具師のメリット・デメリット
メリットとしては日本文化を守り、美術品の保護という部門で仕事をすることが多い為、やりがいや形に残りやすい仕事の一つとして成り立っているという点が挙げられます。
しかしそれ以上の大きなデメリットとして、伝統工芸品という性質上、どうしても求人が少ないことが挙げられます。
訓練校内に送られる求人や、必要とされる会社等を根気よく探すことが必要です。
表具師に向いてる人、向いてない人
表具師に向いているのは手先が器用であることと、根気があることです。また営業に行く事も必要な職業となるため、コミュニケーション能力がある人には向いていると言えます。
丁寧さも重要なポイントであるため、最後の一息にガサツさを出してしまうという人には向いていません。
表具師の中でも、一級表具技能士を名乗れる表具師はなかなかいません。しかし、中観堂大貫表具店さんでは一級表具技能士である職人さんが丁寧に直してくれます。