鉄骨工の仕事内容

高層ビルをはじめ大規模な建築物や構造物を支える鉄骨を工場で製作します。まず、コンピュータやCADを使って、設計図に基づいてNCデータ・原寸型板・材料リスト・製作図面などの資料を作成します。

鉄骨などの形状は毎回異なるため、設計図どおりに製作するためには原寸図面の作成が必須となります。次に、厚鋼板や形鋼などの材料にボルト締めをする孔(あな)をあけ、切断した後、加工位置を示す罫(け)書き線を記入し、プレス機やローラーで曲げたりして部品を作ります(素材加工)。

加工した部品を一つ一つクレーンで吊って、溶接しながら組み立てます(溶接・組立)。完成した製品は検査を行い、溶接部の内外に欠陥が無いこと、所定の寸法精度を確保していることを確認します。

その後、建設現場に輸送し、現場でのボルト締めや溶接をとび工が行う。工場ではコンピュータ制御による加工の自動化が進んでいますが、特に組立や矯正の作業などにはまだ経験と勘に頼る部分が残っています。

鉄骨造のメリット

鉄骨造はデザインの自由度が高い

鉄骨造のメリットは、デザインの自由度の高さです。大空間を作ったり開口部を広くしたりしたい場合は、工法検討時の選択肢に入れておいていいでしょう。大きな窓から採光し、開放的な広いリビングを明るく照らしたいという要望に応えられるのは鉄骨造の強みです。

壁の配置に関しても、鉄骨造なら高い自由度を実現できます。将来的なライフスタイルの変動や介護を考え、最初からリフォームしやすい家を建てたい場合に、鉄骨造はおすすめです。また、家全体の強度という面でも木造より高めやすくなっています。耐震性の高い家にしたいという要望にも応じやすいのが鉄骨造のメリットです。

鉄骨造のデメリット

鉄骨造は気密性の問題とコストが高くなりがち

鉄骨造のデメリットは気密性や断熱性の低さです。木造と比較した場合、気密性と断熱性は低くなりがち。熱が伝わりやすいために、内部結露も起きやすくなります。また、内部結露によって起きるサビに対しての防錆処理の検討もマストです。

断熱や気密性が低い鉄骨造では、快適性を高めるために木造家屋と異なる対策が求められます。防錆以外に、断熱性を高める設備が必要です。設備に関するコストは、木造家屋より高くなる傾向があります。

対応できるハウスメーカーが少ない点も鉄骨造のデメリット。鉄骨造の家を建てられるハウスメーカーであっても、快適な住環境にする技術力までは持っていない場合があります。施主の側からすると建築を依頼するハウスメーカーの選択肢は狭まるのは難点。要望に応えられる業者かどうか、慎重に見極めなければなりません。逆に言えば、鉄骨造にきちんと対応できる技術力は、建設会社・現場監督にとって強みになります。

鉄骨建方とは?

鉄骨建方とは、現場で鉄骨などの構造部材を組み立てることを意味します。鉄骨は、構造部材を工場で製作し、現地に搬入して現場で組み立て作業を行うのが一般的です。

この組立作業を建方と呼びます。

建入れ、建込み、建入れ直しといった似た言い方の言葉がありますが、これらは異なった意味です。建て入れは、柱などの垂直のレベルを指し、建込みは鉄骨などを所定の位置に建て起こして組み立てることを言います。

そして建入れなおしは、柱などの傾きや水平、垂直のレベルを修正する行為を指します。鉄骨建方の手順を知る前にこういった施工方法の意味を知っておくことは、大変重要です。

鉄骨建方の手順で知っておきたい工事の部材の意味を紹介

鉄骨建方の基本的な用語について解説していきましょう。

枕木は資材の下に敷く角材、切梁(きりばり)は一時的に鉄骨部材に仮置きするH鋼をそう呼びます。次にチェーンイコライザーは、鉄骨などを吊る際にバランスを取る治具(加工のガイドなどをする器具)です。

これらは、鉄骨建方の用語のごく一部ですが、知っておくと便利です。

鉄骨建方の手順

鉄骨建方の手順について、鉄骨を起こす作業から梁を取り付けるまでの手順を例に解説していきましょう。

最初に枕木に置いた鉄骨に仮設材をセットします。

そしてクレーンフックを誘導して、玉掛け治具(クレーンに固定するための作業に使う器具)をフックにかけて傷がつかないようにあてものといわれるベニヤ板を入れます。

次に寝かせてある鉄骨を起き上がらせる作業です。玉掛ワイヤーを軽く緊張させてから、ゆっくり巻き上げましょう。そのさいに重心の位置確認や落下物の有無を確認します。そして、鉄骨をゆっくり起こすのです。

取り付け箇所の上部まで鉄骨を誘導させたら、ストップさせますが、このタイミングはとても危険なので人払いを徹底させましょう。適切な場所に持ってきたらゆっくりと下ろしていき、方向を確認、固定をするためのボルトであるアンカーボルトのセットをしてます。

ボルトの仮締め付けを行ったら、玉掛部分の解除作業である玉外しを行います。次に梁の部分、横方向につける鉄骨を設置する手順です。仮説材、ボルトをセットし、台車を意味するレッカーに玉掛ワイヤーのワイヤーをかけて梁の鉄骨に玉掛を行います。

ゆっくり巻き上げたら、確認として重心、落下物の有無、接触の有無をチェックします。その後巻き上げていき、作業場所に近づいたらゆっくり下げてもらい、誘導して旋回の合図を送って取り付け方向を確認。介錯ロープを使用して厳密な位置に下ろしていく作業をしましょう。

親綱を貼って作業員は、親綱に安全帯をかけて、梁の上を移動して玉外しをします。大変危険な作業なので慎重に行いましょう。梁の鉄骨を4方向取り付けたら、水平ネットを取り付けて安全確保して完了です。これを繰り返し行って鉄骨建方を進めていきます。

就業するには?

入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされません。高校や高専を卒業して就職するのが一般的である。入社後、複数の製作工程作業を経験しながら、図面や指示書を読み取るための能力や溶接などの専門技術を身に付けることになります。

溶接の資格や厚生労働省が定める技能検定の「鉄工技能士」の資格を取得するためには、社内外で研修を受けて検定試験に合格する必要があり、各種の技能資格の取得とともに管理能力を身に付けると職長への昇進の道が開けます。なお、溶接の作業を行うには別途、溶接関係の資格が必要となります。

重い物を扱う作業もあるため、体力が必要であり、数人でチームを組んで仕事をするので、協調性も求められます。

労働条件の特徴

鉄骨などの鋼構造物を作る会社の多くは中小企業ですが、超高層ビルの鉄骨などは大企業が製作しています。労働条件は、企業規模及び都市部と地方とによって差があります。雇用形態は、工場に社員として雇用される場合と社外工として働く場合があります。

就業者は男性が多く、最近ではCADを使った原寸図面の作成作業や機械設備のオペレーターとして女性も増えています。工場勤務であるため、転勤はほとんどなく、勤務時間や休日も変動が少ない。

鉄骨は建設する構造物ごとに設計作業から始める受注生産であるため、大量生産ができず、工程の自動化が難しく一定の需要がある。

鉄骨工の平均年収はいくら?

鉄骨工の平均年収は、436万円でした。 全国平均の年収が436万円であることを考えると、 全国平均よりもやや低い水準となっています。 ここで、年代別の平均年収をみてみましょう。

25~29歳の平均年収は372万円で、30~34歳になると400万円と平均年収が28万円プラスとなります。 さらに、40~45歳になると436万円で、50~54歳になると461万円となります。

次に、鉄骨工の役職別平均年収をみてみましょう。 係長の平均年収は541万円、 課長の平均年収は707万円、 部長の平均年収は853万円となっており、 全国平均よりもやや低い水準となっています。

鉄骨工の人数と平均年齢は

平成27の国勢調査によると、鉄骨工の就業者数は53040人でした。令和2年の賃金構造基本統計調査によると、鉄骨工の平均年齢は、42.7歳でした。 全職種全体の平均年齢が46.7歳であることを踏まえると、 他の職業と比較をしてやや若めの年齢であることが分かります。