タイル張工とは
タイル工は、建物の床・壁などにタイルを張り付け、表面を仕上げます。れんが工は、建物の壁やへい、花壇、広場、歩道などに、れんがを積み上げたり、敷いて表面を仕上げます。
就業するには?
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされません。学校卒業後すぐにタイル工事会社へ就職し、熟練技能者のもとで見習から始めて次第に高度な仕事を覚えていくケースが多いです。
職業訓練校で半年~1年ぐらいタイル工としての訓練を受けてから入職する方が、入職後の技術の習得が早い傾向にあります。一人前のタイル工になるには、ある程度時間がかかるが、腕が上がれば独立することも可能です。
空間判断力や形態知覚、それに加えて指先・手腕の器用さなどが求められます。また、建築現場での作業であり屋外での作業もあり、体力があり、根気強さなども必要であります。
厚生労働省の定める技能検定の「タイル張り技能士」があり、資格を取得すると技術力の証明となります。
労働条件の特徴
タイル工事会社は、中小企業が多いが、数人の技能者を抱えて自営するケースも見られます。働く場所は、ビル、マンション、店舗、住宅などの建築現場です。
タイル工は一般的に、入職してから一人前になるまでの間は月給、技術が一定の水準に達してからは施工面積に応じたいわゆる出来高給に変わるというケースが多いです。
労働時間は、基本的に勤務先の規定によります。工事現場の作業環境、工期、施工時期などの関係で一定しない場合もあります。工程の都合で、残業や夜間・休日の出勤などもありますが、出来高制のため、能率よく仕事をして早く仕事を切り上げることも可能です。
外壁タイルのメリット
高級感のある外観
外壁タイルの最大のメリット(長所)は、「高級感のある外観」でしょう。土や石を固めて高温で焼き固めた外壁タイルは、独特の風合いを持ちます。
最近は、初期費用が安くて、施工も比較的簡単なサイディングが主流になっています。しかし、どうしても安っぽくなってしまうサイディングと比べると、その違いは明白です。
外壁タイルの醸し出す、高級感や風格は、他の外壁材では出すことのできない魅力と言えます。
また、外壁タイルというと、限られたデザインの家しかできない・・・とお考えの方も多いかもしれません。
最近では、様々なデザインのバリエーションも豊富。
クラシックなスタイルはもちろん、モダンなデザインやナチュラルなデザインにも対応できる外壁タイルもあり、好みのデザインを実現できるようになっています。
一生の付き合いとなるマイホームであれば、外観は重要です。
外壁材を決定する前に、ぜひ実物を見比べることをオススメします。
メンテナンスが楽
外壁タイルの魅力の1つにメンテナンスが楽な点があるでしょう。
土や石などの自然素材を1300度という高温で焼き固めて作る外壁タイルは、汚れやキズに強く、経年劣化が少ない外壁材です。
強い日差しや風雨、雪などの気象の変化にも強いため、色あせしたり変色するといったこともほとんどありません。
また、ほとんど水や汚れが染み込みまないところもメリット(長所)です。
もちろん、全くメンテナンスが不要ということはありません。(まれにメンテナンスフリーをアピールする施工会社さんもあるようですが・・・)、長い年月が経てば、汚れも付き、カビなども発生することもあります。
ただし、外壁タイルそのものは劣化がほとんどありませんので、そういった汚れだけを落とせば良いため、メンテナンスそのものは非常に楽です。
キズや汚れが目立ちやすい「塗り壁」や、キズがつきやすく、外壁材そのものが経年劣化しやすい「サイディング」などに比べると、その差は歴然とします。
メンテナンスが楽な点は、外壁タイルの大きなメリット(長所)と言えるでしょう。
高い耐久性
メンテナンス性も魅力ですが、高い耐久性も外壁タイルの魅力と言えます。
前述しましたが、土や石などの自然素材を約1300度の高温で焼き固める外壁タイルは、キズに強く丈夫で長持ちです。
非常に硬いため、物でこすったり、風などで巻き上げられた砂などが吹き付けられても、滅多にキズがつきません。
また、寒冷地では外壁材に染み込んだ水分が凍結して、亀裂や破損を生じる場合がありますが、水分をほとんど吸収しない外壁タイルの場合、その心配はありません。
この高い耐久性が外壁タイルのメリット(長所)と言えるでしょう。
正しい施工を行い、定期的に的確なメンテナンスを施せば、20年、30年と施工時の美しい姿を保つことができる・・・これが外壁タイルの家の大きな魅力です。
タイルの種類
タイルは仕上げ材料の主力となっており、マンションの外壁など、より美しく高級感のある建築物が求められる中で需要が伸びています。
弾性接着剤張り(はるかべ工法)
タイルは接着剤張りに適した裏足形状をもった専用タイルを使用します。
接着剤は外壁使用に適したものを使用します。
施工方法は、下地に接着剤をくし目ごてで塗り付け、タイルをもみ込むように張り付けます。
目地幅が広く、かつ空目地とする場合には、接着剤をくし目ごてで塗り付け、平滑にならしてからタイルを張り付けます。
弾性接着剤張りは、壁面の動き接着剤層で吸収し、タイル面の応力発生が小さいため、モルタル施工の場合のように剥離防止のために目地詰めを行う必要がありません。
このため、陰影のある深目地や細目地の意匠が可能となります。
圧着張り
小口平から二丁掛程度のタイルに適用します。
下地に張付けモルタルを塗り付け、トンカチの柄などでタイルを張り付ける工法です。
張付けモルタル塗り付けからタイル張りまでのモルタル塗り置き時間が長くなると、
接着力が低下して剥離の原因となりますので、塗り置き時間の管理が大切です。
密着張り
小口平から三丁掛程度のタイルに適用します。下地に張付けモルタルを塗り付け、専用の振動工具(ヴィブラート)を用い、タイル面に振動を与えながら張付けモルタルにタイルをもみ込むように張り付ける工法です。
タイルを通してモルタルに振動を与えるため、圧着張りに比べてモルタルの塗り置き時間が長くとれるのが特徴です。
目地は、タイルをもみ込んだ時に目地部に盛り上がったモルタルを目地ごてで押えて仕上げとする方法と、他の工法と同様に張付けモルタルが硬化した後に目地詰めを行う方法とがありますが、前者の方法は深目地になりやすいため、JASS19(日本建築学会、建築工事標準仕様書陶磁器質タイル張り工事)では後者の方法で目地詰めを行う使用に変更されました。
改良圧着張り
小口平から三丁掛け程度のタイルに適用します。
下地に張付けモルタルを塗り付けるとともに、タイル裏面にも張付けモルタルを塗り付け、タイルを張り付ける工法です。
圧着張りの塗り置き時間の管理不足によるタイルの剥離対策として開発された工法です。
タイルの裏面にも張付けモルタルを塗り付けるため、タイルの陶片の剥離を防止できます。
改良積上げ張り
小口平から四丁掛程度のタイルに適用できますが、密着張りなどに比べて施工効率が悪いため、現在では密着張りや改良圧着張りでは施工しづらい三丁掛以上の大形タイルに採用されるケースが多くなっています。
タイル裏面全面に張付けモルタルを平滑に塗り付けて、下地にタイルを張り付ける工法です。
この工法は、積み上げ張りの欠点とされる白華を防止するために開発された工法で、積上げ張りは不陸調整のための下地を造りませんが、改良積上げ張りでは精度の良い下地を作製します。
モザイクタイル張り
モザイクタイルに適用します。下地に張付けモルタルを塗り付け、ユニットタイルをたたき板でたたいて張付ける工法です。
施工効率が良く、採用率が高い工法です。
圧着張り同様、張付けモルタルの塗り置き時間の管理が大切です。
マスク張り
モザイクタイルに適用します。
ユニットタイルの裏面に専用のマスクをかぶせて張付けモルタルを塗り付け、下地にユニットタイルをたたき板で張り付ける工法です。
張付けモルタルによる仕上がり面の調整ができないため、精度の良い下地が必要です。この工法は、モザイクタイル張りの塗り置き時間の問題を解決するために開発されました。
しかし、たたき押えが弱いと、下地と張付けモルタル界面の接着が悪くなるため注意が必要です。
タイル工の平均年収
タイル工の平均年収は、433万円でした(賃金構造基本統計調査より)。 全国平均の年収が436万円であることを考えると、 全国平均よりもやや低い水準となっています。 ここで、年代別の平均年収をみてみましょう。
25~29歳の平均年収は369万円で、30~34歳になると397万円と平均年収が28万円プラスとなります。 さらに、40~45歳になると433万円で、50~54歳になると458万円となります。
出世するといくら貰える?
次に、タイル工の役職別平均年収をみてみましょう。 係長の平均年収は538万円、 課長の平均年収は703万円、 部長の平均年収は848万円となっており、 全国平均よりもやや低い水準となっています。
タイル工の平均年齢は?
令和2年の賃金構造基本統計調査によると、タイル工の平均年齢は、42.4歳でした。 全職種全体の平均年齢が46.7歳であることを踏まえると、 他の職業と比較をしてやや若めの年齢であることが分かります。