ガテン系というと、主に現場で肉体労働をしている強面のお兄さん達をイメージする方が多いのではないでしょうか。灰色や黒の作業着に身を包み、手ぬぐいを頭に巻いて、様々な工具を持っている姿を想像するかと思います。

実際、建築や土木の求人でも「ガテン系」という言葉をよく見るかと思います。現場仕事といってもその職種は様々で、多すぎて選ぶのに迷った経験がある人も少なくないはずです。

そんな漠然とした単語である「ガテン系」の由来と定義、仕事の特徴などを解説していきたいと思います。

「ガテン系」の語源

実は、ガテンとは出版社の造語です。昔からある日本語ではありませんでした。1991年に、リクルート社が発行した就職情報誌「ガテン」が、元となったと言われています。

この誌名はそもそも「合点がいく」と「がってん(OK)」(某バラエティー番組でも使われていましたね。)という二つの言葉をあわせて決定されたものだったと言われています。

そして、当時も様々な就職・求人情報誌がありましたが、土木や建築といった職人、ブルーカラーの求人をメインに取り扱っていた所があまりなく、その中ではこのガテンが最もメジャーな雑誌であった事から、徐々に人々の間に職人、現場仕事=ガテンといったイメージが定着し、現場で働く人達を総じて指す代名詞となりました。

「ガテン系」の仕事の種類

現在では休刊となってしまった求人雑誌ガテンに土木や建築関係の求人広告が多く掲載されていた事から、現在でも「ガテン系」と言えば土木、建築工事現場の仕事を連想する方がほとんどです。

しかし、「ガテン系」のカテゴリーには他の職種も多く含まれています。特に、資格を必要とし、肉体労働が主で、工材や資材を使う職業の多くが「ガテン系」と呼ばれているのが現状です。例えば運送業・整備士も「ガテン系」です。

大型免許が必要なトラックのドライバーが運送業の一般的なイメージかと思いますが、同じ運送業に分類される貨物列車の運転士や、航空機のパイロット、整備士関係の仕事も全て「ガテン系」の一種とされています。

種類を羅列してみると、以下の様になります。

土木作業員

建築作業員

整備士

技術士

操縦士

その他、肉体労働全般の職業が含まれます。

「ガテン系」のイメージと、実際の職業のギャップ

「肉体労働がきついけど誰でも出来る単純な作業」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。実は資格や免許がないと、出来ない仕事の方が多いのです。

「ガテン系」の仕事内容の多くは我々の生活、社会を支えているインフラに関わる重要な仕事ばかりなのです。ひとつのミスや事故が人の命を奪いかねない状況下で作業する必要があり、正しい知識と、それらを正確に行える技術力が欠かせません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。「ガテン系」の由来や種類、そしてイメージと実際の仕事内容のギャップについて解説させて頂きました。誰にでも出来るイメージとは裏腹に、我々の生活を裏から支えてくれていた、社会に欠かせない職種である事が分かって頂けたら幸いです。