建設業は屋外での作業が多く、夏場は熱中症になってしまう作業員や職人が少なくありません。命に関わる症状のため、しっかりと休憩をとったり水分補給をこまめにとって予防する事が大切です。今回は暑さ指数と呼ばれる基準となる数値とともに応急処置の内容等を解説していきたいと思います。
暑さ指数(WBGT値)とは
熱中症のなりやすさを測る指標として用いられるのが暑さ指数(WGBT値)と呼ばれるもので、人体と外気の温度のやりとりに着目した値で、気温や湿度、日射量を考慮して導かれた指数となっています。
暑さ指数に対する指針
暑さ指数がどの数値になっているかで、必要な処理や行動が変わってきます。暑さ指数を測る機械が販売されているので、現場事務所などに一つ常備しておくと有事の際に分かりやすいかと思います。
建設業では暑さ指数が31を超える状態となったら速やかに作業を中断して休憩、水分や塩分補給などをすることが望ましいです。熱中症になる一歩手前ぐらいの数値とも言えるため、10分から20分ごとに休憩を挟み、常に熱中症予防をしなければいけません。
また、熱中症のなりやすさは人それぞれ違うため、熱さ指数が21を超えた時点で基本的には熱中症の危険を考えなければいけません。過去に21から25の間で死亡事故が発生した例もあるみたいなので、積極的に注意喚起を行う必要があります。
もし指数が21以下であれば、熱中症の危険性はそこまで高くありませんが、局所的に高温多湿になっていたり、熱さに慣れていない、高齢、健康状態が良くないといった要素によっては21以下でも注意が必要です。
応急処置
万が一、熱中症になってしまった作業員がいた場合は以下の手順を踏んで処理を施しましょう。命に関わる症状なので、適切な対応が必要不可欠です。
症状の確認
熱中症の症状としてめまいや頭痛、吐き気や倦怠感などがあげられます。こういった症状が一つないしは複数みられる場合は熱中症の疑いがあります。意識がない場合はすぐに救急車を呼び、到着するまでは服を緩めたり、体を冷やしたりといった応急処置をしておく必要があります。体を冷やすのには脇の下や内ももといった部位が効果的です。
水分補給
意識がある状態であれば、まずは水分と塩分の補給が最優先です。症状の重さによっては水ではなくスポーツドリンクや経口補水液といった体に吸収されやすい物が望ましいです。
逆に意識がない場合は、誤嚥のリスクがあるため水分補給はさせずに、体を冷やす事に専念しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は熱中症の暑さ指数と応急処置について解説させていただきました。夏の建設現場は常に熱中症と隣り合わせで、命に関わる症状なので、しっかりとした対策を行い、休みやすい環境を整える事が大切です。