今回は海外に誇れる日本の職人について我々はどれくら知っているでしょうか。現状、工業の発展により、多くの職人が廃業に追い込まれています。何百年にもわたって継承されてきた技術を後世に伝え続けるためにも、少しで多くの人に知ってもらい、後継者となる人を探すとともに、職人の生活環境や経済面、社会的地位の向上を目指す事が日本の未来を守るためにも必要不可欠です。今回は花火師について解説していきたいと思います。
花火師とは
花火といえば日本の伝統的な夏の風物詩でお馴染みかと思います。日本各地では様々な花火大会が開かれますが、そこで打ち上げられる花火を作成し、展開しているのが花火師です。
花火師の仕事は、花火の製造はもちろんのこと、花火大会の準備と運営、当日の打ち上げ、後片付けなど広範囲にわたっています。火器を扱う非常に危険な仕事のため、誤って引火したり、暴発しないように、常に最善の注意を払う必要がある仕事の一つです。大まかな仕事の流れとしては、依頼の少ない冬場に少しずつ花火を制作し、繁忙期の夏に作り溜めた玉を納品し打ち上げるという流れが一般的です。
歴史と記録
花火の歴史は約500年近くあり、日本の花火技術は世界屈指のものです。様々な色や、広がり方、キャラクターの絵が浮かび上がるようなタイプの花火もあり、どこから見ても真ん丸い球状に見える色とりどりの花火は日本ならではのもので、まさしく珠玉の職人技と言えるでしょう。ちなみに世界で一番大きな花火を打ち上げたギネス記録も日本が所有しています。花火大国ならではの、世界に誇れる記録といえるでしょう。
必要な資格
花火師として仕事をするには、日本煙火協会から「煙火消費保安手帳」という手帳の交付を受ける必要があります。現在は全国で約18,000名が交付を受けており、高齢化が進む中、技術の継承が困難な工房も少なくありません。また、製造作業には火薬類取締法に定める保安管理技術の免許を取得しなければなりません。
職人の世界が男社会であったことから、女性の数は非常に少ないですが、年々意識も変わってきており、現在では約1,000人の女性職人が花火師としての技術と資格を有しています。
一人前になるまで
星貼り3年、星かけ5年という言葉があり、花火の玉の外部を補強する星貼りという作業で3年間、中の火薬を詰める作業には最低でも5年の時間がいると言われており、最終的に一人前と呼べるレベルに達するには10年もの歳月が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は日本の伝統的な職人の一つ「花火師」について解説させていただきました。年々職人が高齢化し、技術の継承が危ぶまれている現代で、少しでも興味をもってもらい、後世に残せるきっかけとなれば幸いです。